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自転車設計: タイヤと最大負荷 [2. 道具(自転車)]

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 「JIS D9112 自転車用タイヤ-諸元」でタイヤの「最大負荷」は「タイヤに標準空気圧を充てんしたとき、タイヤの耐久性を有効に発揮させることができる最大の負荷。」と定義されています。そして付表で各タイヤサイズに対する最大負荷(参考)kgが表示されています(下記は付表の抜粋)。これからわかるのが小径タイヤとなるほど、最大負荷が少なくなることです。

 タイヤの呼び: 最大負荷(参考)kg
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 16×1.5 : 45kg
 16×1.75 : 50kg
 20×1.5 : 60kg
 20×1.75 : 65kg
 700x28C: 70kg

 以前書いた「小径自転車はハンドルが軽い」といわれる理由」の中で、20インチの車輪を履いた折りたたみ自転車(車体と体重で72kg)で背筋が直立した姿勢では前輪で21kg、後輪で51kgの分担荷重になったことを紹介しました。また、「自転車設計: トウクリアランス、操縦安定性」の中で車輪に関する荷重の計算方法について紹介しました。
 タイヤサイズ16x1.75で自転車の重量14kg程度、最大乗員体重 85kg未満と表示する小径自転車があります。部品には安全率がありますが、部品の最大荷重以下とするのがノーマルな設計の考え方ですので、自転車の重量14kg+最大乗員体重 85kgの合計の99kgを前後輪で均等に分担する乗車姿勢を実現しないとなりません。これは自転車の乗車姿勢から不可能で、後輪に最大荷重以上の荷重がかかるのは明らかです。「最大荷重50kgのタイヤを2個使ったから」と単純に考え、実際にかかる荷重の計算はしないで最大乗員体重を表示してしまったと推測されます。
 16インチのタイヤのBA-160 Fran、最大乗員体重は表示されていないことからJISの一般自転車の65kgと想定されますが、前傾姿勢となるようにハンドルの位置が設定されていて、走行中の前輪の安定感を高めるだけでなく、後輪にかかる荷重を最大負荷より下げることも目的としているようです。
 いずれにしろ、体重の重い人は車輪径の大きい自転車を乗ることが無難なようです。

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「小径自転車はハンドルが軽い」といわれる理由:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2011-01-18-1

自転車設計: トウクリアランス、操縦安定性:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2011-02-15-2

WACHSEN BA-160 Fran ってどうなの?:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2011-01-31-1

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