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「司法官僚 ー 裁判所の権力者たち」 [本と映像・音楽の話]

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 「全国の裁判官の人事や予算といった司法行政をつかさどる最高裁判所事務総局.その幹部を構成する「司法官僚」とは,裁判を担当しないエリート裁判官たちである.彼らはどんな経歴の持ち主なのか.判事たちをどのように「統制」しているのか.その実態と司法の病理を検証し,市民のための裁判所のありかたを提言する.」と内容紹介される 新藤宗幸 (著)「司法官僚 ー 裁判所の権力者たち」(2009年、岩波書店)をBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました(追記:2023年のblogで本書について既に書いていたことを忘れていました (^_^; )。
 「裁判官のあるべき姿とは―。検察との癒着、おざなりな判決や政治への盲従など、今司法の危機が叫ばれている。マンガ『家栽の人』のモデルと噂された人物が、日本の裁判官・裁判所の実態を描き、その歪みを浮き彫りにする。辛酸を舐めつつも、司法の「独立」、その原点を問い続けた元庶民派裁判官による異色の回顧録。」と内容紹介される 安倍晴彦 (著) 「犬になれなかった裁判官 ー 司法官僚統制に抗して36年」(2001年、NHK出版)と巡り合えたら・・」になっています。

追記
 SNSで不適切投稿を行い、所属していた東京高裁から厳重注意処分を受けていながら、SNSで不適切投稿をやめることのなかった仙台高裁判事が罷免されたことが報じられました(NHK NEWS WEB)。先のblogで「人の心を理解できない司法の論理で書かれた記述としか思えません。」と書きましたが、この判事も人の心を理解できないこと(自閉スペクトラム症の傾向?)が疑われます。
(税込110円)

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「裁判員制度の正体」、「裁判員のためのかみくだき刑法」 [本と映像・音楽の話]

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 2009年から裁判員制度が始まりました。「裁判員制度とは、刑事裁判に、国民のみなさんから選ばれた裁判員が参加する制度です。 裁判員は、刑事裁判の審理に出席して証拠を聞き出し、裁判官と対等に論議して、被告人が有罪か無罪か(被告人が犯罪を行ったことにつき「合理的な疑問を残さない程度の証明」がなされたかどうか)を判断します。「合理的な疑問」とは、みなさんの常識に基づく疑問です。常識に照らして、少しでも疑問が残るときは無罪、疑問の余地はないと確信したときは有罪と判断することになります。有罪の場合には、さらに、法律に定められた範囲内で、どのような刑罰を宣告するかを決めます。裁判員制度の対象となるのは、殺人罪、強盗致死傷罪、傷害致死罪、現住建造物等放火罪、身代金目的誘拐罪などの重大な犯罪の疑いで起訴された事件です。原則として、裁判員6名と裁判官3人が、ひとつの事件を担当します。」(「裁判員制度ってどんな制度?」(日本弁護士連合会))とされます。
 「裁判員裁判の成果と問題点」(東京弁護士会;リンク先はpdfファイル)で「裁判員裁判が始まった平成21年5 月21日から平成22 年 2 月 28 日までに起訴された裁判員裁判対象事件は全国で 1458 件,地裁別にみると東京地裁 174 件,大阪地裁134件,千葉地裁141件の3 地裁が突出しており,大阪,千葉はそれぞれ国際空港が設置され,覚せい剤取締法違反事件の占める割合が多い。罪名別には,強盗致傷 361 件,殺人 319 件,次いで現住建造物等放火 129 件,覚せい剤取締法違反 104 件,強姦致死傷98件,傷害致死85件となっている。」と報告されています。「私が裁判員になってこれらの事件で起訴された人を裁くことができるか?」と考えると、正直、困難さを感じます。強盗殺人事件で裁判員を担当した女性が、遺体の写真を見て急性ストレス障害になり、2013年に損害賠償を求めて国を提訴したことが報じられ、その後、「裁判員・補充裁判員の保護について 心理的ケアを中心に」が伝えられ、凄惨な写真を見せない工夫もされるようになっているようですが、事件の詳細を耳にして傷ついた心を元に戻すのは難しいと思います。

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