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「表現の不自由展かんさい」の報告書 [展示会、セミナー、博物館等]

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 「あいちトリエンナーレ2019」(8月1日~10月14日)の企画展「表現の不自由展、その後」が中止されたのは非常に残念でした(リンク先はNHK クローズアップ現代)。2021年6月25日から開催予定だった企画展「表現の不自由展・その後東京EDITION&特別展」は街宣車等による悪質ないやがらせで開催不可能となりました(リンク先はYahoo! Japan ニュース)。
 名古屋市中区役所 市民ギャラリー栄で2021年7月6日から開催の「私たちの表現の不自由展 その後」は見ることができました。会場でキム・ソギョン / キム・ウンソン (著), 岡本有佳 (訳)「空いた椅子に刻んだ約束」(2021年、世織書房)を入手しました。中区役所を出ると歩道に大きなスピーカーを置いて、不自由展の開催中止をどなっている黒のスーツ姿(ネクタイはせず)の男の姿があり、警察官が区役所の入り口に数名、立ち、何の対応もしないことに「誰を守っているのか!」と腹が立ちました(同展は7月8日の破裂騒ぎで中止を余儀なくされました)。
 「表現の不自由展かんさい」の開催に少額ですが、協力させていただいたところ、昨日、「表現の不自由展かんさい」の報告書が届きました。「初志貫徹の「表現の不自由展かんさい」は民主主義の神様が味方したのか」(Yahoo! Japan ニュース)の中で裁判長について「行政に忖度しない「法の番人」として信頼が厚い人物」と書かれていて「成程」となりました。また、同ニュース中の「裁判所の決定のせいなのか、大阪府警の会場警備は名古屋展の愛知県警とは本気度が違うと感じた」とする企画展協力者の話、私の見た名古屋会場での県警の姿を思い出させるものでした。
 当時のことを考えながら「表現の不自由展かんさい」の報告書を見ています。

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「戸籍のない日本人」、「DV・セクハラ相談マニュアル」、「夫婦親子男女の法律知識 [第3版]」 [本と映像・音楽の話]

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 NHKのクローズアップ現代で「戸籍のない子どもたち」(2014年5月)を見た時、日本の民法第七百七十二条が如何に時代を無視したものか気付かされ、愕然としました。
 法制審議会が古川禎久法相に、結婚や離婚の時期によって生まれた子どもの法律上の父親を決める「嫡出推定」の見直しと女性だけに課されている再婚制限をなくすことを答申したことが2月14日に報じられました(法制審議会民法(親子法制)部会第25回会議(令和4年2月1日開催)による「民法(親子法制)等の改正に関する要綱案」)。

【民法】
(嫡出の推定)
第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

(再婚禁止期間)
第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

 秋山千佳 (著)「戸籍のない日本人」(2015年、双葉社)をBOOKOFF 岡崎井ノ口店で入手しました。上記のNHKのクローズアップ現代に出演された棚村政行先生への取材内容も紹介され、棚村先生の「戸籍制度は家制度とともに発展したものだから、どう考えても時代に適合しなくなっている」という指摘に同意です。そして本書を読んでいて自民党保守派の馬鹿さ加減にやりきれない気持ちになりました。
 「夫(恋人)からの暴力」調査研究会 (著)「ドメスティック・バイオレンス ― 実態・DV法解説・ビジョン [新版]」(2002年、有斐閣)、尾崎礼子 (著)「DV被害者支援ハンドブック ― サバイバーとともに」(2005年、朱鷺書房;リンク先は2015年発行の改訂新版)、DV問題研究会 (著)「Q&A DVハンドブック ― 被害者と向き合う方のために [改訂版]」(2006年、ぎょうせい)、冨永忠祐(編)「Q&A ドメスティック バイオレンス 児童・高齢者虐待対応の実務」(2009年、新日本法規出版)の入手を昨年のblogで触れました。
 東京弁護士会 両性の平等に関する委員会 (編)「DV・セクハラ相談マニュアル」(2012年、商事法務)をBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました。そして東京弁護士会から提出の「民法第772条の改正を求める意見書」を確認しました。
 「夫婦親子男女の法律知識 [第3版]」(2016年、自由国民社)はBOOKOFF 秋葉原駅前店で入手しました。「第3章 親子間で起こる争いと解決方法」の中で「親子関係の法律と手続き」、「第6章 DV・児童虐待・高齢者虐待・ストーカーへの対策方法」がありますが、本の性格から無戸籍に踏み込んだ記述はありませんでした。
 現在、無戸籍となられている方たちの救済の道の開かれることを強く願います。

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