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名古屋大学博物館 [展示会、セミナー、博物館等]

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 昨年のblogで企画展「「氷壁」を越えて ナイロンザイル事件と石岡繁雄の生涯」を見たく、休館日を調べないで名古屋大学博物館に行き、「残念!!」となったことを書きました。リベンジで1月11日、名古屋大学博物館にやってきました。常設展示は自然科学、理工学などに様々な展示物があり、興味深く見ることができました。

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古川記念館が現在、名古屋大学博物館として使用

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マッコウクラジの骨格標本

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全周体位傾斜装置(スペースシャトルで積まれたものの地上での実験装置)

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パロ

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「からくり」を今日の姿にしたドリームキャリー

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【企画展:「氷壁を越えて ナイロンザイル事件と石岡繁雄の生涯」】
 昨年のblogで製造物責任法の施行前、製造物の欠陥による事故は「それが製造物の欠陥に起因する」ことを被害者が立証する必要があり、それがいかに困難なものであったか推測されると書きました。


ごあいさつ

 石岡繁雄氏は物理学・工学研究者であり、安全学や山岳教育を通して多くの人材を育てた教育者です。また、井上靖の小説『氷壁』の題材ともなった人物です。
 1955年に起こった弟(若山五朗氏)の前穂高岳での墜落死を契機に、石岡氏はナイロンザイルの弱点を直視することになります。それから約20年間、これ以上山での犠牲者を出さないために、氏は仲間とともにナイロンザイルの弱点を訴え続けます。氏の執念はこのナイロンザイル事件を乗り越え、登山道具や介護用機器などの開発にまで及びました。(略)

 メーカーによる不正な実験方法、これを鵜呑みにした学者を使っての安全宣言、それを真に受けたマスメディア、その後も発生するナイロンザイルの切断による死傷者・・。やりきれなさを感じるとともに、石岡先生の闘った姿が様々な資料を通して目に浮かぶようでした。
 石岡先生については「石岡繁雄の一生」(ナイロンザイル事件に関する内容、実験の映像などを含むビデオへのリンクあり)が参考となります。

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石岡繁雄先生の実弟の命を奪ったナイロンザイル


■ 2008ノーベル展示室
 名古屋大学は2001年にノーベル化学賞を受賞された野依良治博士、2008年にノーベル物理学賞を受賞された益川敏英博士、小林誠博士、ノーベル化学賞を受賞された下村脩博士の4人のノーベル賞受賞者を輩出しています。「2008ノーベル展示室」(開館時間 10:00~16:00、休館日:月・日・祝日)は2008年に受賞された先生方の業績を紹介する展示室となっています。なお、野依先生の業績を紹介するケミストリーギャラリーの休館日は土・日・祝祭日とのことで残念ながら見学することはできませんでした。「宿題として今度の楽しみに残しておこう」です (^_^;

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■ 豊田講堂
 1960年竣工の豊田講堂(鉄筋コンクリート造、設計:槇文彦)は名古屋大学のシンボルで2008年に改修工事を経て、2011年に登録有形文化財(建造物)となりました。
 名古屋大学博物館内の年表の1939年に「名古屋帝国大学(医学部・理工学部)を創設(4月1日)、愛知県が創設費の全額を寄付)。」と書かれていますが、文化庁の文化庁月報(平成23年10月号, No.517)の連載 「国立大学施設探訪 ~近代の記憶 そして未来へ~」で、「名古屋帝国大学は,愛知県や名古屋市を中心とする地域からの強い要望を受けて創設され,その創設費900万円はすべて愛知県が国に寄付をする形でまかなわれました。」と書かれているのを見て、地元との結びつきが強い大学であることを知りました。

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【追記】
 以前は全く帝国大学というものに関心がなかったのですが、名古屋帝国大学の成り立ちのことを知り、気になってWeb検索し、9つの帝国大学があり、そのうち2つが外地であったことを知りました。

  [設立年]         [大学名]
  1886年(明治19年) 帝国大学(東京帝国大学)
  1897年(明治30年) 京都帝国大学
  1907年(明治40年) 東北帝国大学
  1911年(明治44年) 九州帝国大学
  1918年(大正7年) 北海道帝国大学
  1924年(大正13年) 京城帝国大学
  1928年(昭和3年) 台北帝国大学
  1931年(昭和6年) 大阪帝国大学
  1939年(昭和14年) 名古屋帝国大学

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名古屋大学博物館と『「氷壁」を越えて - ナイロンザイル事件と石岡繁雄の生涯』:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10
第28回名古屋大学博物館企画展
「氷壁」を越えて - ナイロンザイル事件と石岡繁雄の生涯
http://www.num.nagoya-u.ac.jp/event/special/2013/131105/index.html
名古屋大学博物館 -The Nagoya University Museum- - 常設展示物
http://www.num.nagoya-u.ac.jp/exhibit/index.html
名古屋大学2008ノーベル賞展示室
http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/nobel2008/index.html
施設:野依記念学術交流館 RCMS - 名古屋大学物質科学国際研究センター
http://www.rcms.nagoya-u.ac.jp/facilities/nch.html
文化庁 文化庁月報 連載 「国立大学施設探訪 ~近代の記憶 そして未来へ~」
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2011_10/series_09/series_09.html
名古屋大学豊田講堂 文化遺産オンライン
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=161507
名古屋大学豊田講堂|竹中工務店
http://www.takenaka.co.jp/solution/needs/rebirth/service02/index.html
帝国大学 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E5%AD%A6


石岡繁雄が語る氷壁・ナイロンザイル事件の真実

石岡繁雄が語る氷壁・ナイロンザイル事件の真実

  • 作者: 石岡 繁雄
  • 出版社/メーカー: あるむ
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本



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