アイピースTE-9Zを用いたデジスコについて [2. 道具(カメラ)]
TSN-664にアイピースTE-9Zを組み込んだデジスコ
■ アイピースTE-9Zのデジスコへの適用性の予備実験
デジスコのスポッティングスコープをTS-613からTSN-664に移行しました。しかし、気になるのがTSN-664に付属してきた眼視用としてはとても楽しめる20~60XのアイピースTE-9Zのデジスコへの適用性です。
「まずは試しに・・」とスコープを三脚に取り付け、TE-9Zの接眼レンズにデジスコ用のFinePix F31fdを広角端にして手持ちして近づけ、20X、30X、40X、50X、60Xの各指標で撮影してみました。手持ちでTE-9Zに対するFinePix F31fdのレンズの位置関係に若干のずれがありますが、FinePix F31fdのズームを広角端とした状態でTE-9Zの全ての倍率でケラレが生じること、そしてそのケラレの程度はTE-9Zの倍率が高くなるほど少なくなることが確認できました。
【実験:TE-9Zのズーム倍率とケラレ】
TE-9Z (20X)
TE-9Z (約30X)
TE-9Z (約40X)
TE-9Z (約50X)
TE-9Z (60X)
■ アイピースTE-9Zを組み込んだデジスコ
スリーブTSN-LS2 (またの名をDA-LS2), KOWA
実験より、「デジタルカメラのズーム倍率をあげればケラレなしで撮影できる領域が・・」で手持ちのデジタルカメラアダプターTSN-DA1をTE-9Zに適用するためのスリーブ TSN-LS2を入手しました。(ヨドバシ.comでTSN-LS2で検索したところ、商品が見つからず、他のネット店で注文しましたが、その後、ヨドバシ.comではDA-LS2という型番でTSN-LS2が販売されているのを知りました。)
TSN-LS2はデジタルカメラアダプターTSN-DA1に付属のスポッティングスコープに付加するTSN-DA1取り付けネジと、TSN-DA1のインナーチューブの間に取り付けて、TSN-LS2の開口部からアイピースTE-9Zのズームリングを回すものです。TE-9Zは全長がTE-14WDと異なるため、TE-14WD用にセッティングしたTSN-DA1のままでは使えず、インナーチューブに取り付けたアウターチューブの位置決め用のバンドを外し、アウターチューブからショートリングTSN-SS1を外す必要がありました。
TE-9Zのズーム倍率を20XとしてFinePix F31fdの広角端で撮影したのが次の煙突ですが、ケラレの程度はFinePix F31fdを手持ちして木々を撮影したものと同程度となりました。そしてFinePix F31fdのズーム倍率を高くすることでケラレがなくなることを確認できました。
TSN-LS2をつけた状態でのTE-9Zのズーム操作は「隙間に指先を入れて」で操作性がよいとはいえません。また、TE-9Zのズーム位置を示す指標はTSN-LS2に隠され、中間位置でのズーム倍率はわかりません。なお、以前のblogでスポッティングスコープのピント合わせの精度を高めるためにACTY H7X18を組み合わせる方法を書きましたが、TE-9Zの最大ズーム倍率60XでTSN-664のピントを合わせた上、TE-9Zのズーム倍率を下げて撮影するのもひとつの方法と気づかされました。
■ アイピースTE-9Zのデジスコへの適用について
スポッティングスコープとアイピースTE-9Zのみを所有する人が「デジスコを試してみたい」という場合、デジタルカメラアダプターTSN-DA1とTE-9Z用のスリーブTSN-LS2の組み合わせは費用を抑えてデジスコをスタートさせるのによいと思います。なお、60XはFinePix F31fdが広角端でケラレのある状態で35mm判換算2,160mmの望遠となり、ケラレのない焦点距離とすると3,000mmとなることから「慣れた人でないと使いこなしが難しいなあ」です。
私のようにTE-14WDなどのアイピースを持っていてその使い勝手を知っていると、TSN-LS2の隙間を通してのTE-9Zのズーム操作とカメラのズーム操作が必要なことなど、使い勝手の面では「今ひとつ感」があります。本格的にデジスコするにはTE-14WDのように固定倍率のものがよいように思えます。
<< TE-9Z の仕様など >>
倍率 :20~60倍
実視界 :1.9~1.0°
見かけ視野 :38~60°
アイレリーフ:16.5~16.0mm
ひとみ径 :3.3~1.1/3.0~1.0mm (TSN-660 / TSN-600)
明るさ :10.9~1.2/9.0~1.0 (TSN-660 / TSN-600)
1000m視界:33.2~17.5m
特徴 : 全面マルチコート、五段階式ツイストアップ見口
付属品 : 前・後キャップ
適応スコープ: TSN-600/660シリーズ
参考: KOWAの製品型番の混乱について
上記のようにスリーブTSN-LS2 がDA-LS2という型番で販売されている場合があります。
KOWAはアイピースの型番を同じ製品でありながらTSE-14WD → TE-14WD 、TSE-9Z → TE-9Zといったように変えていて混乱してしまいます。KOWAのTSE-xxxという型番はTE-xxx、TSN-xxxという型番はDA-xxxという型番でも検索するのがよさそうです。
【追記】
COOLPIX P5100を入手して光軸調整してTE-9Zと組合せ、COOLPIX P5100を望遠端とすれば、TE-9Zの20~60倍でケラレ、周辺減光がほぼなく、利用できることがわかりました。FinePix F31fdを望遠端としてTE-9Zのズームを代えた場合はTE-9Zのズーム倍率を上げると周辺減光が発生するのとは特性が異なりました。
TE-9Zをデジスコで活用するにはCOOLPIX P5100のように望遠として、TE-9Zのズーム全域でケラレ、周辺減光の発生しないデジカメと組合せと組み合わせるのがポイントのようです。(いまさらながら、COOLPIX P5100を入手して(その9:デジスコ(4))参照)
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久し振りの新宿での出会い・・:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2013-04-27
いまさらながら、COOLPIX P5100を入手して(その9:デジスコ(4)) :ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
フィールドスコープ スリーブ TSN-LS2 KOWA コーワ
- 出版社/メーカー: コーワ
- メディア: エレクトロニクス
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