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『別品の祈り-法隆寺金堂壁画-』(東京藝術大学陳列館) [展示会、セミナー、博物館等]

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 東京藝術大学の陳列館で6月22日まで開催の『別品の祈り-法隆寺金堂壁画-』、同大学美術館で開催の『法隆寺-祈りとかたち』と一緒に21日、見ようと思ったら陳列館は午後2時30分までの入館で見逃したことを先のblogで書きました。そして「見たい!!」で22日に再び、東京藝術大学へ行きました。
 陳列館の2階で、1949年に焼損した法隆寺旧金堂壁画を全面原寸大で焼損前の姿に復元した展示(上)が行なわれていました。その復元、壁の質感のようなものもあり、とても驚かされ、感激しました。東京藝術大学の文化財複製制作特許技術のパネルがあり、そのひとつの「和紙による壁画再現表現」(特許第4559524号)として法隆寺金堂壁画を復元中の姿が紹介されていました。復元の手順は「I 下地制作」(原本の下地の技法材料を検証し、和紙に壁面の質感や量感を再現)、「II 出力」(原本の写真資料をデジタル化し、色調補正、欠損修正などのレタッチを行い、出力)、「III 補彩」(原本と同素材の絵具を使用して補彩)とのことです。
 1階では法隆寺金堂壁画のスーパーハイビジョン(8K)プロジェクターを用いた8K映像が2部屋で流され、映像I (2分22秒)は第6、8、11号壁の焼損前復元画像データを元に制作されたアニメーション作品、映像II (4分44秒)は12面の壁画の焼損後の状態から焼損前に復元した画像との比較を紹介するものでした(JVCケンウッドの業務用“D-ILA”8Kプロジェクターを採用とのこと)。なお、NHK技術研究所で8K画像を見たこともあり、「大画面を見てその繊細な画像に感動」とはなりませんでした (^_^;

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法隆寺金堂壁画について
・ 上段が火災により焼損した壁画、下段が復元

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第1号壁 釈迦説法図

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第2号壁 菩薩像

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第3号壁 観音菩薩像

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第4号壁 勢至菩薩像

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第5号壁 菩薩像

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第6号壁 阿弥陀三尊二十五化生菩薩・童子図

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第7号壁 聖観音菩薩像

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第8号壁 文殊菩薩像

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第9号壁 弥勒説法図

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第10号壁 薬師説法図

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第11号壁 普賢菩薩像

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第12号壁 十一面観音菩薩像


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陳列館

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別品の祈り-法隆寺金堂壁画-
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2014/kondou/kondou_ja.htm
東京藝術大学
http://www.geidai.ac.jp/
法隆寺
http://www.horyuji.or.jp/
JVCケンウッド、「別品の祈り-法隆寺金堂壁画-」展に“D-ILA”8Kプロジェクタが採用 - 日刊工業新聞 Business Line - 企業発表
http://www.nikkan.co.jp/newrls/rls20140425o-05.html
COI-T研究成果発表「別品の祈り—法隆寺金堂壁画—」展に当社製の業務用“D-ILA”8Kプロジェクターが採用(2014年4月25日、ニュースリリース 株式会社JVCケンウッド)
http://www.jvckenwood.co.jp/press/2014/04/press_140425.html

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うえいぱうわ

こういう絵も復元できるもんなんですね。
きっと私には想像だにできない苦労があったんでしょうね。
その技術と意思に脱帽です。
by うえいぱうわ (2014-06-25 21:38) 

robotic-person

>うえいぱうわさん、
「焼損前に撮影されたガラス乾板やコロタイプ印刷、画家による模写などの資料をもとに、最先端のデジタル技術によって画像を統合し、さらに、本学がもつ壁画複製特許技術を用いて制作」と東京芸術大学アートイノベーションセンターで紹介されていますが、やはり今日のデジタル技術の進歩も貢献しているのですね。

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法隆寺金堂壁画 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E9%9A%86%E5%AF%BA%E9%87%91%E5%A0%82%E5%A3%81%E7%94%BB
法隆寺金堂の壁画 最新技術で復元 NHK「かぶん」ブログNHK
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/700/184124.html
PROJECT-法隆寺旧金堂壁画
http://innovation.geidai.ac.jp/project/project_Horyuji.html
舘鼻デザイナーも応援! 母校・東京藝術大学(上野)で法隆寺の金堂壁画復元展開催中 ART LIFE WWD JAPAN.COM
http://www.wwdjapan.com/life/2014/05/04/00011675.html
法隆寺金堂壁画パネル試験報告(『保存科学』(No.6), 1970年)
http://www.tobunken.go.jp/~ccr/pdf/6/pdf/00601.pdf
東京大学総合研究博物館 デジタルミュージアム
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/DM_CD/DM_CONT/HORYUJI/HOME.HTM

by robotic-person (2014-06-25 22:42) 

石田

robotic-personさま

突然失礼いたします。石田と申します。
以前の記事になりますが、
こちらの展示での会場に流れていた
音楽の作曲を担当していたものです。

突然申し訳ありません。

勝手なお話で恐縮ですが、
私のサイトにて、
robotic-person さまがブログにアップされている
画像を使わせていただくことは可能かどうかを
打診させていただきたく、書き込みをさせていただいております。

ただいま、私の個人のサイトを制作中で、
過去作のアーカイブを作っているところで、
いろいろと調べているうちに、
robotic-personさまのお写真に行き当たりました。

もし、使用許可を頂けるようでしたら、、
のお話ですが、クレジットの掲載の必要がありましたら、
その名義をお伝えいただけましたら幸いです。

もちろん、許可をいただけないようでしたら、
勝手に使うことはございません。

お忙しい中、申し訳有りません。
何卒、よろしくお願いいたします。

by 石田 (2019-08-07 11:01) 

robotic-person

>石田 様、
「東京藝術大学の素晴らしい取り組みを知っていただく一助にでもなれば」という気持ちでblogにさせていただきました。本blogで使用のサイズでよろしければそのまま、お使いください。クレジットは必要ありません。
by robotic-person (2019-08-07 17:34) 

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