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福島第一発電所の今後について [科学技術とジャーナリズム]

 昔、原子炉解体プロジェクトに携わっていたことがあります。そして東北関東大震災による福島第一発電所の被害のような形で廃炉が誕生するとは想像すらしていませんでした。
 燃料棒に関する問題が沈静化した段階で、至急、壊れた建屋部分を仮設テントなどで覆って最低限の区画を設けた後、壊れた建屋の残骸の撤去などをはじめとする各種作業がすすめられていくと思いますが、どのような放射線環境になっているか、そしてどのような廃炉処分とするか、多くの課題が待っています。

 手元にある電気学会編『電気工学ハンドブック』(1990、オーム社)の「原子力発電」の編の主な商業用原子炉の一覧表を見ると、福島第一原子力1(電気出力460千kW、運転開始 S.46.3.26)、2(784kW、S.49.7.18)、3(784kW、S.51.3.27)、4(784kW、S.53.10.12)、5(784kW、S.53.4.18)、6(1100kW、S.54.10.24)とされます。これらの原子力発電所の設計時期は1960年代で、当然、1960年に三陸海岸沿岸を襲った最大6mの津波のことは設計に織り込み済みと想定されますが、津波に対してどの程度の安全率を見ていたか気になります。

 福島第一発電所は事態の沈静化がまだ見えない段階ですが、これが終息した後に出される事故原因、事故の経過、評価といった内容になることが想定される報告書、是非、読まねばと思っています。

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我が国はじめての発電用原子炉(JPDR)の運転から廃止までの完遂
http://www.aesj.or.jp/awards/2008/2008-039-040.pdf

JPDRの解体(1992年度以降) (05-02-04-10) - ATOMICA -
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-02-04-10

福島第一原子力発電所 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80

1960年チリ地震 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/1960%E5%B9%B4%E3%83%81%E3%83%AA%E5%9C%B0%E9%9C%87

浜岡原子力発電所 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9C%E5%B2%A1%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80

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