東北関東大震災： ISIS、ABC News、NASAの画像

　福島第一原発、地震発生と同時に緊急停止されたことがニュースで報じられ、「機能しているな」と安心したところ、しばらくして異常を伝える報道が始まりました。「冷却ポンプが作動しているはずなのに・・」と疑問に思いながらも、報じられるのは「冷却ポンプが作動しない。津波の影響と思われる。」といった内容で冷却ポンプが作動しない原因について触れられることはなかったように思います。それが変化したのが、3月14日に米国のISIS (Institute for Science and International Security) から福島第一原発の被害状況の衛星写真が示されてからだと思います。国内での報道もこの後、非常用電源用の重油タンクなどが津波被害を受けたことが具体的に報じられるようになり、私の疑問はなくなりました。
　この報道の変化は私の目にした報道に関する記憶の範囲で、正確には時系列に報道の内容を分析する必要がありますが、仮にそうだとすると、「海外から衛星写真として公開されてしまったから報じざるを得ない」といった報道管制が崩れた結果か、それとも単に日本のマスメディアは衛星写真から状況を把握しようという頭が働かなかったためかと考えてしまいます。（NHKの放送が地震関係一色となって海外ニュースが流れなくなったため、ABC Newsのサイトを見たところ、最初に福島原発に関する記事があって「そうか、地震より原発に対してより高い関心を持たれているのか」と「ところ変われば・・」を実感しました。 * ）

　ABC Newsの"Japan Earthquake before and after" (Mar 13, 2011 ) で東北関東大震災による各地の被災前後の写真が掲載されています。この中に福島第一原子力発電所のものも含まれ、岸壁側の施設が津波によって壊滅的な状況となっているのが理解されます。

　NASA JPLのMLの3月15日の配信で、東北関東大震災の被害状況を震災前後の画像で比較しながら示すWebサイトが紹介されています。


* ：　【追記】　NHKは震災直後から自身のもつ放送チャネルを使って全て同じ内容を放送するという、「○○」なことをやりはじめてしまいました。数日経って苦情が多数、殺到したためか、それとも自身の愚かさに気付いたためか、BS2、BS hi、教育は震災関係の内容ですが異なったものを流し始めました。そして１週間経った3月19日から通常の番組構成に近いものになりました。
　地震の直後は全てのチャネルを使って視聴者に伝えるというのは重要な役割です。しかし、それが数日間も続くのは異常です。NHKは国際放送局があるわけですので、海外メディアがどのような内容で日本の災害を報じているか伝えるといったことも重要な役割です。
　競馬馬のようなNHKの報道に対して、インターネットが世界に開かれた情報の窓として重要な役割を果たしてくれました。

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Institute for Science and International Security
http://isis-online.org/

Satellite Image Shows Damage to Reactor Buildings at Fukushima Daiichi Complex After Explosions
March 14, 2011
http://isis-online.org/isis-reports/detail/satellite-image-shows-damage-to-reactor-buildings-at-fukushima-daiichi-comp/

ABC News - Japan Earthquake before and after
http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm

NASA - NASA Imagery of the March 2011 Japanese Earthquake
http://www.nasa.gov/topics/earth/features/japanquake/index.html?msource=ed20110315&tr=y&auid=7945314

NHK組織図
http://www.nhk.or.jp/bunken/book/book_data/nenkan2010/10_806_807.pdf

【追加】
原子力保安院密着ルポ　「伝言ゲームの参加者が多すぎる」：日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110317/219019/