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「電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか」、「未和 NHK記者はなぜ過労死したのか」、「過労自殺」 [本と映像・音楽の話]

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 「私は人間ではない、機械だ」
 I am not a human being, I am a machine

 毎年11月は「過労死等防止啓発月間」とされます。2018年のblogで書いたように以前、約5年間、ブラックな環境で働いていました(詳しくは2018年のblogで*)。自殺予防等の本について触れた先のblogで「過労死については日を改めて書きます。」としましたが、考えていることを少し書いてみます。
 ブラックな環境で働いていた当時、私自身に言い聞かせていたのが上の言葉で、人としての様々な活動を抑制して仕事に集中するためのものでした。そして「仕事に対する責任感」だけが私を支えていました**
 過労状態は一人一人異なり、一括りにすることはできませんが、仕事(設計)がうまくいかなかった場合、私自身が壊れていたかもしれませんし、2018年のblogで触れたようにその仕事の中で健康に問題を抱えることにもなりました。私が過労死しなかったのは単に「運がよかっただけ」と考えています ***

 北健一(著)「電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか」(2017年、旬報社)、そして尾崎孝史 (著)「未和 NHK記者はなぜ過労死したのか」(2019年、岩波書店)をBOOKOFF SUPER BAZAAR イトーヨーカドー流山店で入手しました。
 過労死弁護団全国連絡会議「過労死」(1992年、講談社文庫)を入手したことを2017年のblogで書きましたが、川人博 (著)「過労自殺」(1998年、岩波書店)をBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました(「初版の内容を基調にしつつ,最近の事例や労災補償の有り様の変化,歴史の検証などを新たに盛り込み,法制定後に求められる防止策と善後策を具体的に示す.」とした第二版が2014年に発行されています)。
 8月18日、放送大学のテレビによる講義「雇用社会と法(’21)」「第9回 労働者の安全・健康と労働災害」(担当講師:國武英生(小樽商科大学教授))で、過労自殺した電通で働いていた高橋まつりさんの母の高橋幸美さんの判決後の労働環境の問題を指摘する姿も紹介され、私のあの当時のことを思い出させました(高橋幸美/ 川人博 (著)「過労死ゼロの社会を ― 高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか」(2017年、連合出版)の入手も考えています)。
 私が陥ったように「責任感(義務感)から自身の健康状態等に関係なく働き続けようとする状態」に陥った場合、本人の力だけではその状態から抜け出すことが難しい面があります。近くにそのような方がいるのに気づかれたら、その方がその状態から抜け出せるようにご助力をお願いします。また、そのような状態にある方で相談する力を残されているようでしたら、過労死等防止対策推進全国センターの「相談・お問い合わせ」(メール)、全国過労死を考える家族の会の「お問い合わせ」(メール)、あるいは過労死弁護団全国連絡会議の「過労死110番」(tel 03-3813-6999 ;平日10:00-12:00 / 13:00-17:00 )などの利用をお勧めします。
 「過労死がなくならないのはなぜか・・」。やりきれない気持ちです。

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(税込370円→税込210円、税込220、税込110円)

■ 国家公務員の残業 (← 以前、メモとして書いていたものを掲載)
 2020年11月26日の「NHKニュース おはよう日本」で永田町で働く方、厚生労働省に勤務される入省6年目の方を中心に労働状況が紹介されました。その方は午前2時まで働いていて(番組中でまだ、机に向かっている方の姿あり)、その日の朝に再び勤務につかれることを考えると、残業時間200時間といわれるのも私の経験からよくわかりました。また、若手官僚の夫妻のインタビューもあり、お子さんがいながら勤務に追われて家庭生活を営めないことに対する悲鳴のようなものを感じました。7人に1人が退職を考えているという状態、「こんな労働環境では」と理解できます(このNHKニュースの特集は2020年11月19日に若手官僚有志が河野行政改革担当大臣に「霞が関の働き方改革」の要望が出されたことで企画されたものと思います)。
 国家公務員には労働基準法は適用されず、人事院の管轄として勤務時間法が適用され、罰則規定もないこと、未だに紙の文化で印刷に多くの時間を割いていること、議員などの対応は電話ではなく、直接、会っての対応など、時代遅れの仕事の状況が・・。できるところから早期に官僚の労働環境が改善されていくことを願っています。

* * * * * *

 「あなたは機械ではない、人間だ」
 You are not a machine, You are a human being


*: 勤務表に毎日の実際の残業時間を書き、その合計だけ「30時間」という残業時間の制限に対応した値を書いて提出して抵抗したこともありましたが、訂正を求められました。あの時、私が過労で倒れていたら残業時間の制限に対応した勤務表を盾に「この人間は勝手に残業していた。我々は知らない」とされていたのでしょうか・・

**: 2018 年のblogで書いたように仕事を投げ出す人間も出ましたが、私にはそれができませんでした。彼の投げ出した仕事も引き受けざるを得なくなりましたが・・

***: 以前の私のような状況にある方、あるいはその状況に近い方には「「自身の心と体を大切にする道」(それが仕事から去ることにつながるとしても)を選んで歩んでいくことについて考えていただけたら」と願います。
 2020年3月のblog筑波大学東京キャンパス社会人大学院(夜間)の経営システム科学専攻で学ぶことになったきっかけとして「携わった業務(?)から」と書きましたが、その「業務(?)」とは私のブラックな労働環境で、その仕事に続いて経験した2020年5月のblogで書いた職員組合での1年間が「自分を変えなければ」にさせました。

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過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/karoushizero/index.html
過労死等防止対策推進全国センター » 相談・お問い合わせ
https://karoshi-boushi.net/contact.html
全国過労死を考える家族の会
https://karoshi-kazoku.net/
過労死110番 | トップ
https://karoshi.jp/index.html
過労死等防止対策推進全国センター
https://karoshi-boushi.net/
ロボット工学の本を八重洲ブックセンター、丸善日本橋店、丸善丸の内本店で調べる:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2017-03-18
「自殺予防」、「自殺予防学」、「自殺って言えなかった。」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2017-09-29
古本カフェ 「弥生坂 緑の本棚」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2017-09-29
雨の秋葉原駅前の広場で開催の街頭集会に参加:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2018-06-20-1
18年版「ブラック企業大賞」で思い出すこと:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2018-12-30
日野三十四(著)「トヨタ経営システムの研究 ― 永続的成長の原理」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2020-05-19
MBAのこと:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2020-03-31
表計算ソフト「アシストカルク」の思い出:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2020-05-26
高橋幸美・川人博 著『過労死ゼロの社会を』(連合出版)
http://rengo-shuppan.on.coocan.jp/bunyabetu/bunka/bunkashokai/karoushi.html
未和 NHK記者はなぜ過労死したのか - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b451633.html
過労死等防止対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000053725.html
電通事件 - 株式会社旬報社 働く、学ぶ、育てる、暮らすなどをテーマにする生活に身近な出版社です
http://www.junposha.com/book/b317254.html
政府の分科会“拡大地域と往来自粛を” - NHK NEWS おはよう日本 - NHK
https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/episode/te/9YJYLL87P7/
“霞が関の働き方改革” 河野行政改革相に若手官僚有志が要望 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201119/k10012720261000.html
公務員制度と人事院 | 人事院
https://www.jinji.go.jp/booklet/booklet_top.html
人事院の業務紹介パンフレット | 令和2年度 人事院の進める人事行政について「国家公務員プロフィール」| 人事院
https://www.jinji.go.jp/pamfu/
超過勤務の上限等に関する措置について
https://www.jinji.go.jp/kinmujikankyuuka/choukinzyougenponchie.pdf
過労自殺 - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b268372.html
過労自殺 第二版 - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b226281.html


電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか

電通事件 なぜ死ぬまで働かなければならないのか

  • 作者: 北 健一
  • 出版社/メーカー: 旬報社
  • 発売日: 2017/01/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



電通の深層

電通の深層

  • 作者: 大下英治
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2017/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



過労死ゼロの社会を―高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか

過労死ゼロの社会を―高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか

  • 出版社/メーカー: 連合出版
  • 発売日: 2017/11/01
  • メディア: 単行本



未和 NHK記者はなぜ過労死したのか

未和 NHK記者はなぜ過労死したのか

  • 作者: 尾崎 孝史
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/05/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



過労死! (講談社文庫)

過労死! (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/04
  • メディア: 文庫



過労自殺 (岩波新書)

過労自殺 (岩波新書)

  • 作者: 川人 博
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1998/04/20
  • メディア: 新書



過労自殺 第二版 (岩波新書)

過労自殺 第二版 (岩波新書)

  • 作者: 川人 博
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/07/19
  • メディア: 新書



働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史

働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史

  • 作者: 熊沢 誠
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/02/19
  • メディア: 単行本



人間使い捨て国家 (角川新書)

人間使い捨て国家 (角川新書)

  • 作者: 明石 順平
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/12/07
  • メディア: 新書



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