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「建築施工現場「学」―作業所長の体験メモ」 [本と映像・音楽の話]

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 7月23日 8:15から放送のNHKスペシャル東京リボーン (6)「国立競技場 試練のスタジアム」を興味深く見ることができました。
 私が建築に関心を持つようになったのは母方の祖父が大工だったこともあると思います。小学校の高学年から中学生の時、住宅の図面をよく描いていました。家庭の状況から「(自分が自分であるために)家を出て生きられる術を身に着けた方がよい」があり、「建築学科より電気工学科の方が時代のニーズに」と考えて電気工学科で学びました。ただ、なぜか、製造業ではなく、ゼネコンといわれる企業に就職しました。2年間の建設現場に関する業務の後、「コンピュータ関係の知識があり、プログラムが書ける」という理由(たぶん)で技術開発の部署に異動となり、建築、土木、原子力分野など、様々な技術開発に携わることになりました。そして昨年12月のblogで書いたように3年間の宇宙開発事業団(NASDA)への出向の後、早期退職しました。
 出口晴洪(著)「建築施工現場「学」―作業所長の体験メモ」(1983年、彰国社)をBOOKOFF 埼玉三郷店で見つけました。ページを開いてそこに書かれた内容のわかる私がいることを発見し、懐かしくなって入手しました(新人研修で現場に配属され、最初に困ったのがそこで交わされる専門用語がわからないことで「建築用語辞典」の類(書名は記憶の彼方)を休日となって即、入手して勉強しました)。(税込520円が50% OFF)
 本書の発行は1983年で、その後の建設バブル時代に現場数をこなすために大量に新人を採用し、十分な経験のない施工管理者をつくってしまった建設業界、「その影響は・・」と気にならないといったら嘘になります。ただ、上記のNHKスペシャルを見ながら「建設について何が解説されているかわかる」という私自身を確認するとともに「計測技術の発達やコンピュータを利用した施工管理の領域の拡大に対応できる人材が育っているんだなあ」と気づかされました。

【追記】
 NHK BSプレミアムで驚き!ニッポンの底力「建築王国物語」が7月24日に再放送されました。その中で有明体操競技場の建設(施工:清水建設)が工期に間に合わない危険があったのを解決したのが各職種の人が集まっての飲み会で信頼関係を構築し、協力関係ができたことと紹介されていたことに「成程なあ!」となりました。

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東京リボーン (6)「国立競技場 試練のスタジアム」 - NHKスペシャル - NHK
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/VW488Q6913/
驚き!ニッポンの底力「建築王国物語」 - NHK
https://www4.nhk.or.jp/P3782/x/2021-07-24/10/509/2223465/
有明体操競技場 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E6%98%8E%E4%BD%93%E6%93%8D%E7%AB%B6%E6%8A%80%E5%A0%B4
建築・土木図書専門出版の彰国社
https://www.shokokusha.co.jp/?p=152
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「法隆寺を支えた木」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
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「「はやぶさ」式思考法 - 日本を復活させる24の提言 -」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
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建築施工現場「学」―作業所長の体験メモ

建築施工現場「学」―作業所長の体験メモ

  • 作者: 出口 晴洪
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 1983/01/01
  • メディア: 単行本



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青い森のヨッチン

前職では建設途中の現場での仕事もありましたがゼネコンの下請けに入るわけではなく顧客との直契約なのですが建築中の物件ではゼネコンの現場監督の指揮下で作業をっ済めなければならないケースが多かったです。
上納金見たいのも要求されるし現場監督さんは若い人が多い割には高圧的な態度の人も多く前れ紺がらみの物件はなるべく取らないようにしていました(引き渡し後に納入設置とか)。
人当たりのいい監督さん(所長さん)もいたけど・・・
by 青い森のヨッチン (2021-07-24 14:55) 

robotic-person

>青い森のヨッチン さん、
「業界の紳士たれ」、「顧客第一」が入社して教えられたことでした。また、顧客、協力会社と信頼関係を築くことが重要なことを教えられました。ただ、そのような中で「(この協力会社は)信用に足りるか」という見方も身に着けることになってしまいました (T_T)

by robotic-person (2021-07-24 15:44) 

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