浴室での感電死 [3. 記事]
電気工学科出身ですが、「感電するのが嫌で別の道を」と冗談半分に話しています。
ロシアの15歳の格闘技チャンピオンが入浴中に浴槽へスマートフォンを落として感電死したことが12月13日に報じられました。スマートフォン単体で起きた事故ではなく、充電用のケーブルをつないだ状態で浴室に持ち込んだために起きた事故です。
ロシアで起きた感電死について現場の状況がわからないため、考えてみます。
スマホの充電用ACアダプターとそのUSB規格にあわせた接続部とスマホを接続する充電用ケーブルの長さは約90cm（私のASUSのスマホの長さを参考に）ほどで、お風呂の直近にコンセント（ロシアのコンセントから供給される電気は220V/50Hz）があるとは感電の危険から考えられませんので、電源延長コードを用いたと考えられます。そのような状況で浴槽に入りながらスマホを手にして充電していた場合、充電用ケーブルの表面が濡れ、ACアダプタを接続した電源延長コードの差し込み口まで濡れることが考えられます。そしてAC220Vという電圧で電流が人体に流れ、感電死に至ったと考えられます。同記事から充電中の感電死が少なからず起きていることを知り、驚かされました。
「感電のおはなし」（北海道でんき保安協会）は感電の基本をわかりやすく紹介し、「42V は ❝死にボルト❞ 感電災害の防止について」（日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部／東京技能者協会；リンク先はpdfファイル） はより詳しく解説していて、その中の厚生労働省統計資料によれば平成18～22年の間で低圧（600V以下）で毎年10人ほどの方が亡くなられ、42Vでも体が濡れていれば感電死する危険があると警鐘を鳴らしています。
電気は目に見えません。全ての人が電気について詳しい訳でありません。そして「防水」を謳うスマホやイヤホンの存在が、取扱説明書をちゃんと読まない人の事故を誘発していることが考えられます。「電気から命を守るための最低限の知識を得て取扱説明書を読んで行動して欲しい」と願います。
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【要注意】スマホやヘッドフォンで若者たちが感電死 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/12/post-11411.php
お風呂でスマホを充電してはいけない。ロシアで15歳少女が感電死 | ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/2018/12/14/smartphone-dead_a_23617788/?fbclid=IwAR3fAqWoGEoW3poRlt-0uyxGEuiNDAMrFYaHmfzA93zGjkLU8JgqNk6dg6c
感電のおはなし | 北海道でんき保安協会
https://www.hochan.jp/knows/electric/
４２Ｖ❞は ❝死にボルト❞ 感電災害の防止について（日本労働安全衛生コンサルタント会東京支部／東京技能者協会）
http://www.tokyotsa.com/file/17_jirei.pdf
最近の感電死亡災害の分析と今後の対策 | 労働安全衛生総合研究所
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/88-column-1.html
今晩は、残念な事故です。バスルームへの電灯線の持ち込みが危険という当たり前のこと（私も電子系です）が当たり前ではなかったのですね。札幌でのスプレー缶が原因の爆発事故も普通に考えれば（これも普通ではなかったか）屋内でのガス抜きがいかに危険かと思うのですが。
by sabineko (2018-12-29 18:29)
＞sabineko さん、
ドラム式洗濯機による子供の死亡事故、とても悲しい気持ちがするのですが、幼い子供たちの行動を観察していると穴の中に入るという習性のようなものが見られます。スマホを浴室で使ってしまうのも「楽しいから」という気持ちがあり、そこで充電するという危険性には思いが至らない状態になっていることが想像されます。
北海道の爆発事故、ニュースで報じられるのはガス抜きした人がその危険性を認識していなかったというものでした。少しやりきれない気持ちがしますね・・
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ドラム式洗濯機で５歳児死亡 また閉じ込められる事故：朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL1Y2GLVL1YUBQU001.html
by robotic-person (2018-12-29 20:28)