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FinePix HS50EXRの手振れ補正機能がレンズシフト方式になった理由 [2. 道具(カメラ)]

FinePix_HS50exr1.jpg
HS50 - FinePix HS50EXR 富士フイルム
http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/s/finepix_hs50exr/index.html

 手振れ補正機能、「イメージセンサーシフト方式か、レンズシフト方式か」というのがあります。
 私が使っているFinePix HS30EXRの手ブレ補正機能は光学式(イメージセンサーシフト方式)で[常時+動き認識]、[常時]、[撮影時+動き認識]、[撮影時]、[OFF]のブレ防止モードの設定があります。「動き認識」というのは動くものを認識するとシャッタースピードを制御し、被写体ブレを軽減するというものです。イメージセンサーシフト方式のデジタル一眼レフカメラは撮影時のみの動作で、「コンパクト(?)デジタルカメラはそこまで制御を・・」と半信半疑でHS30EXRの動作を確認したことがあります。そして手ブレ補正機能[OFF]ではシャッター半押しして合焦した状態でボディに耳をあてて音がしないのが、手ブレ補正機能[ON]となる他の設定では合焦した状態でボディに耳をあてると小さな音が継続的に発生しているのがわかり、納得できました。
 FinePix HS30EXRの後継機のFinePix HS50EXR、撮像素子は1,600万画素の1/2型で数字の上ではHS30EXRと同じですが、EXR CMOS IIセンサーとなり、レンズはHS30EXRの30倍ズームレンズ f=4.2mm~126mm(35mm判換算:24mm~720mm相当)から、HS50EXRは42倍ズームレンズ f=4.4mm~185mm(35mm判換算:24mm~1000mm相当)となりました。そして手振れ補正機能は光学式(レンズシフト方式)となりました。これに伴い、レンズ構成はHS30EXRの11 群15 枚(非球面レンズ(3枚)、EDガラスレンズ1枚)に対して、HS50EXRはレンズシフト方式のための補正用レンズが増え、12群17枚(非球面6面3枚、EDレンズ1枚)になりました。
 「センサーシフト式は超望遠域では追従できない場合があるので、望遠域はレンズシフト式が有利」といわれますが、HS50EXRがレンズシフト方式となったのもこのためと考えられます。50倍ズームのFinePix SL1000も同様に手振れ補正機能に光学式(レンズシフト方式)が採用されています。レンズシフト式だとレンズが大きくなり、これに伴ってカメラが大きくなり、HS30EXRの約687gに対してHS50EXRは約808g、SL1000は約659g となっています。(追記:FUJIFILM X-S1の手ブレ補正機能も光学式(レンズシフト方式)で約945gの撮影時質量です。)
 10年前はデジスコでないと実現できなかった35mm判換算1,000mmという望遠のカメラ、強力な手振れ補正機能がなければ一般消費者向けの製品として成立しなかったのは確かだと思います。手振れ補正機能のためにこの程度の重量増はやむを得ないといえます。
 なお、HS30EXRとHS50EXRのレンズの広角側の焦点距離は35mm判換算は表記上、同じとなっていますが、換算前の値はHS30EXRに対してHS50EXRが0.2mm長くなっていて「なぜだろう?」になりました。イメージセンサーが一新されたことから寸法的に同じかどうかは不明ですが、仮に同じとすると、センサーシフト方式ではイメージセンサーが動く分、レンズのイメージサークルの大きいことが必要となるのが、レンズシフト方式ではこの必要がないことからこのような値になったことも考えられるかな・・、です。

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Nikon|技術・研究開発|コンパクトデジタルカメラ 手ブレ補正機能
http://www.nikon.co.jp/profile/technology/life/imaging/stabilization/index.htm
Nikon|技術・研究開発|VR(手ブレ補正)システム
http://www.nikon.co.jp/profile/technology/rd/core/software/vr/index.htm
Sony Japan 技術情報|デジタル一眼カメラ“α”のボディ内蔵手ブレ補正技術
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/technology/technology/theme/alpha_01.html
「イメージセンサーシフト方式」の手ブレ補... Q&Aページ Q&A デジタル一眼カメラ“α”(アルファ) サポート・お問い合わせ ソニー
http://qa.support.sony.jp/solution/S1110278018403/
キヤノン:手ブレのない快適フォトライフ|キヤノンの手ブレ補正技術|テクノロジー
http://cweb.canon.jp/ef/is-special/technology/index3.html
第6回:ブレにブレる開発方針 - Tech-On!
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20100706/183999/?ST=print
Hands on Fuji FinePix HS50 EXR review Compact cameras Reviews TechRadar
http://www.techradar.com/reviews/cameras-and-camcorders/cameras/compact-cameras/fuji-finepix-hs50-exr-1159833/review#articleContent
・ bridge cameraとして好意的な解説
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うえいぱうわ

素人考えだと、小さくて軽いセンサーを動かした方が
重いレンズを動かすよりも素早く動かせる気がしたの
ですけど、そう単純なものでもないみたいですね。
by うえいぱうわ (2013-03-29 12:04) 

robotic-person

>うえいぱうわさん、
焦点距離に比例して撮像素子上の手振れ量は増えますので、35mm判換算1,000mmとなるとセンサーシフト方式ではその変化量、変化速度に1:1で対応しなければならず制御が難しいのでしょうね。レンズシフト方式で補正用レンズを動かす場合は、移動量、移動速度もそれより少なくて済むことが超望遠での対応を容易にしているように思います。
by robotic-person (2013-03-29 12:48) 

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