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つくばロボットフォーラム2012 in アキバ [科学技術とジャーナリズム]

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車いす型ロボットとマイクロモビリティ(産業技術総合研究所)

 『つくばロボットフォーラム2012 in アキバ』が3月13日、秋葉原ダイビルの秋葉原コンベンションホールで開催ででかけてきました。
 インダストリアルデザイナーの奥山清行氏による基調講演『「ものづくり」から「ことづくり」へ』は大学で良い講義を受けている気分で大収穫でした。
 一方、つくば市で行われた「平成23年度モビリティロボット特区実験」の報告と今後の展開については色々、考えさせられました。

『モビリティロボット実験特区とは』(協議会について – ロボット特区実証実験推進協議会のWebサイトより) 
 つくば市は、平成23年3月25日、日本で初めて「モビリティロボット実験特区」として、内閣総理大臣より認定されました。
 モビリティロボットは、現行法上、日本の公道を走行することができないため、実用化のための実証実験を行うことができません。しかし、モビリティロボットには、これからの低炭素社会、安全安心なまちづくり、少子高齢化対応社会の中で課題解決に役立つ可能性が高く、大きな期待が寄せられています。また、ロボットは産業としても将来大きな産業として育っていくことが高く期待されています。(後略)

 多少、移動ロボットの研究に関わっていたことから、歩道を人間と移動ロボットを走らせることは、頭の中で考えていただけではわからなかったものが見えてき、研究としては非常に有意義です。しかし、それをロボットを核とした産業振興にまで飛躍させてしまうのは、非常に無理が見えてきます。(国から特区の認定を得る過程で変節してしまった可能性も高くありますが・・
 実験の報告に対して質疑の時間がとられず、質問できなかったのですが、歩道には歩行者だけでなく、自転車も存在することから、歩行者と移動ロボットに乗った人間の関係(それもアンケート的なものが紹介されたのみ)を報告するのみでは「やりました!」といったにすぎません。特に今日、自転車と歩行者の関係が問題となっていることから、自転車について全く触れないのは非常に無理があります。
 日立の搭乗型移動支援ロボット、全幅が698mm、全長が1494mm、重量200kgとされます。条件により歩道の走行が認められている普通自転車は全幅600mm以下です。他の法規との関連を考え、早期に実現を考えるならば全幅は600mm以下に設計すべきです。
 産総研の車いす型ロボットとマイクロモビリティについては、セグウェイが存在し、また、大学などで各種の電動車いすの研究されていることから、研究のオリジナリティが見えてきません。電総研時代、米国から自律移動ロボットを購入し、それにソフトウェアを載せて研究していたのを知っていますが、同じ姿のように思えてなりません。また、産総研の担当者の「国の研究機関だから実用化する意思はない・・」といった言もあり、独法化とは一体、何だったのだろうか・・です。

 「モビリティロボット実験特区」、それ自体は意味のあるものと思いますが、それぞれの思惑が錯綜しているようです。

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ロボット特区実証実験推進協議会 - つくば市 ロボット特区実証実験推進協議会
http://www.rt-tsukuba.jp/council/
3月13日 つくばロボットフォーラム2012inアキバ開催 – ロボットの街つくば
http://www.rt-tsukuba.jp/event/2012/02/14/1486
産総研 - 経営方針
http://www.aist.go.jp/aist_j/information/tour/tour_main.html

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