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小径自転車に関する1月3日の毎日.jpの記事 [科学技術とジャーナリズム]

下記の記事、センチをインチと思い込み、記事を書いた記者に対して少々きついことを書いてしまいました。申し訳ありませんでした。* (自戒のため本記事、残しておきます。)

 「直径約15~20センチのタイヤ(小径)で走る折りたたみ自転車の転倒、フレーム破損などの事故が相次いでいる。」との前振りで始まる毎日jpの「自転車:小径折りたたみ式一部でけが多発 転倒、破損など」とする記事、本文は国民生活センターの「小径タイヤの折りたたみ自転車(A-RideX)の強度不足に注意!」に対するもので、この自転車はチューブレスの8インチの自転車。小径自転車について多少詳しい人であればタイヤの規格は12、14、16、17、18、20、22、24インチで、15インチという規格は存在しないこと、また、仮に14インチとしても8インチとは全く別のものの特性を示すことがわかるはずです。(以下、略)


* :自転車のタイヤの規格はインチ径とフランス系(mm表示)でセンチの表示はありません。小径自転車というと20インチが多いことから「マジックナンバー」として反応してしまったようです。新聞ではインチをセンチメートルに変換して表示されることを忘れていました。
 なお、記事の【ことば】で「小径自転車 06年に英国で開発された。平均で重さ約6キロ、高さ約65センチ、幅約20センチに折りたたんで携帯できるため(後略)」とする解説はA-RideXに対するものとしてはよいかもしれませんが、「小径自転車」としてしまうのは誤りです。小径自転車はミニベロ (mini velo)ともいい、『自転車用語の基礎知識』(バイシクルクラブ編集部編、枻出版社、2003年)によれば、おおむね24インチ以下の車輪の自転車となります。JISには小径自転車そのものは定義されていませんが、「コンパクト車」として「呼び(径)20以下の車輪及び軽量なフレームによって、軽量化及びコンパクト化を図った自転車」が対応するといえます。当然、この数字はインチ系のものです。この記者は国民生活センターで過去、「折りたたみ自転車の安全性」に関する報告がされていてその中で20インチの自転車が含まれていることを知らず、「小径自転車=8インチ」という勝手な定義をつくってしまったようです。記者の自転車に関する知識が浅いことだけは確かなようです。

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自転車:小径折りたたみ式一部でけが多発 転倒、破損など - 毎日jp(毎日新聞 2011年1月3日)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110103k0000e040009000c.html
小径タイヤの折りたたみ自転車(A-RideX)の強度不足に注意!(発表情報)_国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100922_1.html
・ チューブレス 8インチの自転車で4cmの段差を走行して乗り越えようとしてフロントフォークの根元から折れた事例を紹介
自転車のタイヤ寸法
http://www.geocities.co.jp/jitensha_tanken/tire_size.html
平成20年度自転車試買テスト結果報告(自転車産業振興会)
http://www.jbpi.or.jp/_data/atatch/2009/03/00000315_20090330103154.pdf

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コメント 2

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インチとセンチを確認された方がよいのではないかと思います。

by お名前 (2011-01-19 13:08) 

robotic-person

単位の見落としのご指摘ありがとうございました。
by robotic-person (2011-01-19 13:37) 

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