「生殖の政治学 - フェミニズムとバースコントロール -」 [本と映像・音楽の話]
現在、日本は人口減少社会としてマスメディア、政府によって騒ぎ立てられています。人口構成、出生率、死亡率から避けられない国としての運命ですので、騒がず、そのまま、受け入れればよいと思うのですが・・。
さて、18世紀末に発表されたマルサスの「人口論」は現在も影響を与えています。「生殖の政治学」は女性解放運動と産児調整について、サンガー、ストープスらの活動家の話を中心にまとめられた本。避妊・堕胎は宗教・倫理とも関係する現在での問題であり、また、第3章の「科学の旗のもとに」で記述される優生学も同様です。人口問題の別の側面を学ぶのによい本です。
日本では昭和23年に施行の「優生保護法」が、優生学的な条項を削除されて「母体保護法」として改称されて平成8年に施行されましたが、この国の人権意識の遅れを証明するようでやりきれない気持ちがします。
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