NHKのロシア人関取の大麻喫煙疑惑に関する報道の問題 [3. 記事]
8月21日に下記の記事を書きました。
NHKのニュースの客観報道に対する指針は?
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2008-08-21
9月3日のNHK総合の「おはよう日本」で、また、問題のある報道を目にしてしまいました。
以下、その理由など・・。
ロシア人力士の尿検査で大麻に対する陽性反応が出たことに関するもので、何人かの市民のインタビューが挿入されていて、その受け答えからインタビューされた側は「簡易検査で副流煙の可能性も否定できない」ということは知らされていないことがわかりました。最後の部分に申し訳程度(簡易検査による誤りであった時に、「ちゃんとそれについて報道した」というエクスキューズ用)に簡易検査のことが付言されていましたが、「クロ」と決めつけたような内容でした。
客観報道は、市民のインタビューの声をまとめたからといって、成立するものではありません。編集者が自分の意図する方向に編集し、方向性を持たせることも可能なのですから・・。そしてとても気になったのが、人権に関わる報道であるのに関わらず、それに対する配慮がすっぽりと抜け落ちていることでした。(⇒ NHKへはすぐ「意見」メールを出してしまいました。)
しかし、夜9時の「ニュースウオッチ9」というエンタテインメントニュースのコメンテーターが番組の最後で、相撲業界の不祥事を並べて「だから・・」というような発言をしていましたので、NHK教育でのニュースを見ていなければ、NHKの全体の意識はこの程度か、と失望していたところでした。
両力士の精密検査の結果はわかりません。しかし、現行犯で逮捕されたのではない限り、「無罪」を想定して報道に細心の注意を図るのが報道者の務めだと思います。
ゴシップ週刊誌で大きく取り扱うようなことを、全国放送のテレビが時間を割くのを見ると、「もっとしっかり報道して欲しいものがあるのに」と思ってしまいます。
【9月4日の「おはよう日本」での報道】 たぶん、他にも多くの意見メールが届いたのだと思いますが、ロシア人力士に関する報道、「こうでなければ」という構成になっていました。 松本サリン事件の報道の暴走(さらにいうならば警察の暴走)により人権被害を被った方がいたことを、報道に携わる人間は絶対に忘れてはいけないと思います。
補足:現在、上記の講談社文庫からのものは絶版となっていますが、新風舎文庫から新たに発行されています。
NHKのニュースの客観報道に対する指針は?
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2008-08-21
9月3日のNHK総合の「おはよう日本」で、また、問題のある報道を目にしてしまいました。
以下、その理由など・・。
ロシア人力士の尿検査で大麻に対する陽性反応が出たことに関するもので、何人かの市民のインタビューが挿入されていて、その受け答えからインタビューされた側は「簡易検査で副流煙の可能性も否定できない」ということは知らされていないことがわかりました。最後の部分に申し訳程度(簡易検査による誤りであった時に、「ちゃんとそれについて報道した」というエクスキューズ用)に簡易検査のことが付言されていましたが、「クロ」と決めつけたような内容でした。
客観報道は、市民のインタビューの声をまとめたからといって、成立するものではありません。編集者が自分の意図する方向に編集し、方向性を持たせることも可能なのですから・・。そしてとても気になったのが、人権に関わる報道であるのに関わらず、それに対する配慮がすっぽりと抜け落ちていることでした。(⇒ NHKへはすぐ「意見」メールを出してしまいました。)
しかし、夜9時の「ニュースウオッチ9」というエンタテインメントニュースのコメンテーターが番組の最後で、相撲業界の不祥事を並べて「だから・・」というような発言をしていましたので、NHK教育でのニュースを見ていなければ、NHKの全体の意識はこの程度か、と失望していたところでした。
両力士の精密検査の結果はわかりません。しかし、現行犯で逮捕されたのではない限り、「無罪」を想定して報道に細心の注意を図るのが報道者の務めだと思います。
ゴシップ週刊誌で大きく取り扱うようなことを、全国放送のテレビが時間を割くのを見ると、「もっとしっかり報道して欲しいものがあるのに」と思ってしまいます。
【9月4日の「おはよう日本」での報道】 たぶん、他にも多くの意見メールが届いたのだと思いますが、ロシア人力士に関する報道、「こうでなければ」という構成になっていました。 松本サリン事件の報道の暴走(さらにいうならば警察の暴走)により人権被害を被った方がいたことを、報道に携わる人間は絶対に忘れてはいけないと思います。
補足:現在、上記の講談社文庫からのものは絶版となっていますが、新風舎文庫から新たに発行されています。
2008-09-03 22:30
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