SSブログ

坂本菜子著「トイレ・スタイリング」 [本と映像・音楽の話]

 住処のリフォームを考えていてその中にトイレも含まれます。そんなことから、いつもの神田古書街の店で本書を入手しました。業務用のトイレに関する記述が多いですが、「アンダーカウンター式洗面器は、ぬれやすく、汚れやすいのが欠点」といった見出しに見られるように、設計で配慮すべき事項も多く含まれています。0章の『やっかいものだった昭和60年代以前のトイレ』の節は「私がこの仕事を始めた頃には、トイレは完全に日陰の存在。人前で話題にするのもはばかられる状態でした。」という文で始まります。そして現在、住宅を計画する場合、洗面所、トイレを重視する人も増えてきたように思いますが、住宅面積や工事費の面からなかなか思うようにならないというのが多くの現実ではないでしょうか。
 狭いために人の動線が錯綜して「おっと」ということがあり、「広さが百難隠す」という言葉が専門家の中では常識になっています。そして少し考えれば、日本の狭い洗面所、トイレなどは建築計画で一番難しいところであることがわかります。しかし、トイレの設計で設計者が評価されることは少ないでしょうし、衛生器具メーカーの商品カタログを見ていると狭い場所をより狭くする商品も見られ、日本でのトイレの文化は、まだ、発展途上であることがうかがわれます。

トイレ・スタイリング―コンフォートスタイリストからの提言

トイレ・スタイリング―コンフォートスタイリストからの提言

  • 作者: 坂本 菜子
  • 出版社/メーカー: INAX
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 単行本


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント