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システム工学を著者の勝手な定義で論じてしまった本 [本と映像・音楽の話]

 近くの図書館で本のリサイクルコーナーがあることから、段ボールに入っている本を少しずつ整理し、昨日、文書保存箱1箱分の本を図書館に届けてきました。この本の選別のために本をパラパラと見ているのですが、「何んだ、この本は・・」というものが混じっているのに気づきました。
 それは渡辺茂 / 須賀雅夫 (著)『システム工学とは何か』(1977年、NHKブックス)で、その『まえがき』の最初の文が「システム工学とは、組織をコンピュータで解明しようとする学問である」と言い切ってしまっているのには驚かされました。
 神田古書街をぶらつくのが好きで見つけた1冊に、システム工学の古典といえる Robert E. Machol (編) "System Engineering Handbook" (1965, McGraw-hill Book Company)があります。この第1章で様々な定義が試みられていることについて触れた上、"Thus, when I speak of system engineering, I refer to the design of systems, the word "design" being significant."と書いています。『システム工学とは何か』の著者がいうのはsystem analysisの一部を言っているのに過ぎません。
 日本ではシステムエンジニアをコンピュータに限定して考える風潮が強いように思われますが、本書の影響も無かったとはいえないと思います。

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システム工学とは何かの通販/渡辺 茂/須賀 雅夫 NHKブックス - 紙の本:honto本の通販ストア
https://honto.jp/netstore/pd-book_01267460.html
System engineering handbook (1965 edition) | Open Library
https://openlibrary.org/books/OL5916379M/System_engineering_handbook


システム工学とは何か (1977年) (NHKブックス)

システム工学とは何か (1977年) (NHKブックス)

  • 作者: 渡辺 茂
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1977/03
  • メディア: -



System Engineering Handbook

System Engineering Handbook

  • 作者: Robert E. Machol et al
  • 出版社/メーカー: McGraw Hill Text
  • 発売日: 1964/12/31
  • メディア: テキスト



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