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FinePix F300EXRとMSN-202スーパーマクロレンズ [2. 道具(カメラ)]

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FinePix F300EXRとMSN-202スーパーマクロレンズ(raynox)

 FinePix F300EXRとマクロコンバージョンレンズB-MACRO(OLYMPUS)を組合せて撮影距離27cmで35mm判換算1.2倍の撮影が可能なマクロ撮影システムを作りました。しかし、欲望というのは果てしないもので
「FinePix F300EXRで更にマクロ撮影倍率をあげられないか・・」
になりました。


FinePix F31fdとテレスコマイクロ 8X20Dを組み合わせた超マクロ撮影システム

 FinePix F31fdを改造してテレスコマイクロ8×20D(Nikon)と組み合わせた超マクロ撮影システムが使える状態にあります。8×20Dは単体で10~25倍(被写体と約100mmの距離)、付属のクローズアップレンズを付けて25~60倍(同約20mmの距離)の倍率が得られます(35mm判換算で7倍、クローズアップレンズとの組合せで15倍相当)。しかし、このシステムでは8×20Dのフォーカス環を回してのピントあわせの操作も必要となり、操作性がよいとはいえません。これもF300EXRの超マクロ撮影への適用を思いついた理由・・。

■ FinePix F300EXRのさらなるマクロ能力の拡大方法
(1) クローズアップレンズ
 B-MACROはf=40cmで、クローズアップレンズのNo.2(f=50cm)、No.3(f=33cm)の間に位置する焦点距離です。私のFinePix F300EXRはアダプターの装着によりフィルター径55mmに対応しますので、No.4(f=25cm)、No.5(f=20cm)、No.10(f=10cm)と組み合わせて撮影距離を短くすることで撮影倍率をあげることが考えられます。複数のレンズを組合わせ、色収差を補正したAC(アクロマート)はNo.5までですが、手持ちのB-MACROと組合せることで焦点距離を短くし、撮影倍率をあげることができます。

(2) raynoxのスーパーマクロレンズ
表 raynoxのスーパーマクロレンズ
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[型番]     [diopter]    [撮影距離]   [倍率]
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DCR-150    4.8       約180mm    4.4x
DCR-250    8        約111mm    6.4x
MSN-102   11.8       約75mm    ----
MSN-202   25        約30mm    20x
MSN-505   32        約17mm    27x
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備考:撮影距離(レンズ先端から被写体までの最望遠側)、倍率はPanasonic DMC-FZ50/FZ30 の値
・ MSN-102はレイノックス・ダイレクト販売でのみ取扱いの新製品でDMC-FZ50/FZ30との組合せは不明

 raynoxからスーパーマクロレンズが販売されています。DCR-150、DCR-250はクローズアップレンズの範疇と思いますが、表のPanasonic DMC-FZ50/FZ30 (35mm換算35~420mm) の組合せのようにMSN-202、MSN-505はかなりの倍率が得られそうです。

■ MSN-202による評価実験
 現物で試さないと評価のしようがないため、「いっちゃえ!!」でMSN-202を注文してしまいました。(raynox のWebサイトでレイノックス製品のデモ機がヨドバシカメラ、ビッグカメラに置いてあることが紹介されているのを注文の後で気づき、「もう少し、注意深くraynoxのWebサイトをチェックすべきだった」と反省・・。)
 MSN-202はUAC3500 フリーサイズアダプター付属で到着して、すぐ私のFinePix F300EXRで方眼紙を被写体に実験開始しました。
 FinePix F300EXRとMSN-202の組合せでは35mm判換算の撮影倍率がズームの組合せにより約3~8倍のマクロ撮影が可能なのが確認できました。被写界深度が浅く、フォーカスの合う距離、望遠端では約35mmで余裕はありませんが、ズーム倍率6.2倍(35mm判換算148mm)では35mm±2mm程に余裕ができます。そして10円硬貨の平等院鳳凰堂がこの大きさで見られるのはなかなか迫力です。画像周囲の画像の甘い部分はFinePix F300EXRそのものの光学性能、MSN-202との組合せによる影響、そして私の製作したFinePix F300EXR用のアダプターの加工精度と撮影実験における被写体とカメラの平行度の影響などが考えられます。糸巻き形の歪曲収差が認められますが、これはMSN-202の特性のようでこれを低減するにはできるだけ、望遠端で用いることが必要なようです。
 raynoxはMSN-202について「マクロ撮影経験者・顕微鏡撮影経験者で三脚・マクロスライダーなどの操作を熟達されている撮影者または研究者向け。マクロ撮影初心者の方にはお勧めできません。」としていますが、次の3点が撮影結果を得る確実な方法といえます。

1) マクロスライダー(ベルボン)などを利用して微細な距離あわせと手振れ防止を行うこと
2) 合焦範囲が極めて狭いことを理解して被写体とレンズの距離を予め設定し、マクロスライダーなどで微調整可能とすること
3) 直線性が気になる被写体はできる限り望遠側で使うこと

 FinePix F300EXRとB-MACROの組合せで実現した35mm判換算1.2倍の撮影倍率、MSN-202との組合せで実現した3~8倍の撮影倍率、7~15倍の撮影倍率はFinePix F31fdとテレスコマイクロ8×20Dの組合せで対応できるようになりました。
 しかし、結論としてB-MACRO並みの気軽な撮影にはMSN-202は向いていないことがわかりました。そこで「撮影倍率はもう少し低くてよいから・・」と55mmのACクローズアップレンズ No.5(Kenko)を注文してしまいました。(煩悩は続く・・)

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方眼紙を被写体にした実験状況(マクロスライダーを使用)

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FinePix F300EXRとMSN-202の組合せの広角端での方眼紙の見え方(ケラレの発生と糸巻き型の収差)

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FinePix F300EXRとMSN-202の組合せで周辺減光の影響を受けなくなるズーム倍率6.2倍(35mm判換算148mm)、撮影距離は約35mm
・ 35mm判換算の撮影倍率約3.1倍

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FinePix F300EXRとMSN-202の組合せの望遠端(35mm判換算360mm)、撮影距離は約35mm
・ 35mm判換算の撮影倍率約8.1倍

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FinePix F300EXRとMSN-202の組合せで10円硬貨をズーム倍率6.2倍で撮影

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FinePix F300EXRとMSN-202の組合せで10円硬貨を望遠端で撮影

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上の撮影画像(3M)の中央部を等倍(512×384)でトリミング

☆ ☆ ☆

■ DA 16-45mm F4 ED AL(PENTAX)との組合せ
 PENTAX K-7用で使っている広角ズームレンズのDA 16-45mm F4 ED ALのフィルターネジが67mmで、MSN-202に付属のフリーサイズアダプターUAC3500が52~67mmのフィルターネジに対応するため、推奨ズームレンズとしてf=100mm以上がうたわれていますが、試験としてMSN-202を組み合わせてみました。その結果、広角側でやはりケラレが生じ、焦点距離32~45mmの範囲がケラレなく使える範囲で、撮影倍率は35mm判換算で約1.1~1.7倍が得られました。なお、このレンズとの組合せ、糸巻き形の歪曲収差が目立つもので推奨の焦点距離を100mm以上とするのはこの歪曲収差の目立たないことを考慮して設定されたものと推定されました。撮影距離は約30mmで、やはり焦点の合う範囲は狭く、上記の使用上の配慮が必要といえます。

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FinePix F300EXRとB-MACROの組合せ、強力なマクロ撮影の道具に:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2012-06-28
超マクロ撮影 (FinePix F31fd + テレスコマイクロ 8X20D):ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2009-04-10
ザ・ワークス:Vol.06 テレスコマイクロ8×20D - Enjoyニコン ニコンイメージング
http://www.nikon-image.com/enjoy/interview/works/2001/0110/
デジタルカメラ LUMIX DMC-FZ50を発売 プレスリリース ニュース パナソニック企業情報 Panasonic
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060725-4/jn060725-4.html
デジタル一眼カメラ用レイノックスマクロ(接写)コンバージョンレンズ
http://www.raynox.co.jp/japanese/digital/d_slr/index.html
Panasonic Lumix DMC-FZ50, DMC-FZ30デジタルカメラ用レイノックスアクセサリーレンズ、フィルター
http://www.raynox.co.jp/japanese/digital/fz30/index.htm
MSN-102デジタルカメラ、ハイ・ビジョンカメラ用マクロコンバージョン
http://raynox.co.jp/japanese/35mmacc/msn102index.html
【第5回】高倍率マクロ撮影のための最小システムを考える
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/labo/2008/08/28/9082.html
Canon PowerShot SX40 (5)高倍率マクロレンズ
http://silvereyes.nobody.jp/meter/m240-sx40-msn.html
海野和男のデジタル昆虫記 - 環境goo
http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/


スーパーマクロレンズ MSN-202吉田産業MSN-2024961787060112

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  • 出版社/メーカー: 吉田産業(株)
  • メディア: エレクトロニクス



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うえいぱうわ

なかなか上手くはいかないみたいですね。
やはり、ここまでとなると制限も多くなるし。
とはいえ、ここまでクローズアップが出来る
なら、これはこれでアリな気もしますが・・・。
ここは納得できるまで、いっちゃいましょう(笑)
by うえいぱうわ (2012-07-17 14:03) 

robotic-person

>うえいぱうわさん、
屋外撮影では微風が大風で被写体ブレがひどく、手持ち撮影では手に伝わる脈拍が手振れの原因となり、よほど撮影条件が整わないとフィールド撮影は難しいシステムだなあを実感させられています (^_^;
もちろん、室内における静物の超マクロ撮影には強力な道具となりましたが・・。
by robotic-person (2012-07-17 18:33) 

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