『第一回 大量データにもとづく未来社会のデザイン』(11月8日、一橋大学 一橋講堂) [展示会、セミナー、博物館等]
情報学による未来社会のデザイン~健全でスマートな社会システムに向けて~
第一回 大量データにもとづく未来社会のデザイン
http://www.info.jst.go.jp/event/godosympo/index.html
科学技術振興機構の『CREST・さきがけ』は「社会・経済の変革につながる科学技術イノベーションを誘起するシステムの一環として、我が国が直面する重要な課題の達成に向けた基礎研究を推進し、科学技術イノベーションを生み出す創造的な新技術を創出することを目的とする事業」とされます。CRESTは選定された研究代表者が研究チームを編成して研究を推進、さきがけは研究者が個人で研究を推進する場合に対応するとされます。
この『CREST・さきがけ』の研究制度により推進している情報関連研究領域の研究を合同しての一般公開シンポジウム『第一回 大量データにもとづく未来社会のデザイン』が、「大量データ」をどのように社会デザインに活用していくのかを考えることを目的に11月8日、一橋大学 一橋講堂で開催されました。
基調講演の『ITが拓く新しい社会の可能性』(中島秀之 公立はこだて未来大学 学長)はシンポジウムの目的に沿ったもので情報の活用をシミュレーション、あるいは実際の試験を交えて解説され、興味深く聞くことができました。
招待講演の『学習科学研究:評価とプロセス分析の狭間を埋める』(三宅なほみ 東京大学 教授)は、理想的な学び方はひとつしかないような語り口のように思え、昼食直後もあって、講演途中、意識を失っている自分に気付かされました (^_^;
同じく招待講演の『一般意思2.0データ民主主義の可能性と限界』(東浩紀 早稲田大学 教授)は氏が『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』で書かれた内容を解説するものにもなっていて、「ルソーってこんな人だったのか・・」と目から鱗でした。
これらの講演にはさんで研究者メッセージ(口頭)として発表がありましたが、興味深いものもある一方、「研究のための研究?」と思えるものもありました。『CREST・さきがけ』の研究制度の限界かもしれません。
「大量データ」というキーワードに期待しすぎていた自分に気付かされました。
一橋大学 一橋講堂
一橋大学 一橋講堂から交差点を挟んで学士会館
【追記 2012.11.9】
研究発表の中でTwitterの利用など、色々と語られましたが、重要な『メディア・リテラシーの向上』ということについては一切、触れられていませんでした。メディア・リテラシーをコンピュータの利用という狭義の捉え方をして学校へのコンピュータの導入の推進、そして「メディア・リテラシーの高い扱いにくい人間を育てない」という政策が未だに生きているためでしょうか・・ (^_^;
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戦略的創造研究推進事業 平成24年度研究提案募集
http://www.senryaku.jst.go.jp/teian.html
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