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デイパックの選び方と調整 [2. 道具(その他)]

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左:SPIDER 24、中:DR-466i、右:City Fusion

 人の体形は様々で、ある意味、体につけるものの一つとなるデイパックも「洋服と同様に選ぶ必要があるのでは」と思います。
 愛用していたデイパックのMR.BIKE(Jack Wolfskin)とはサヨナラしましたが、その後継のSPIDER 24(deuter)、撮影機材運搬用のKATA DR-466i、PCや書類運搬用のTargus City Fusionと使い分けています。この他、ボランティア活動用の約5kgの機材運搬用の#24/7(Mountainsmith、背負いやすいようにインナーフレームを付加する改造済)、そしてモーターサイクルでPCを背負って移動する場合にいざという時にPCを守るというハードシェルのBOBLEB-E(もう10年以上前に流行。休眠中)と計5つあります。(この他、野宿用で使っていたテントや炊事道具などが入ったバックパックが1つ・・)
 これらを眺めながら、デイパックの選び方、使い方(調整方法)について整理してみました。

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左:MR.BIKE(Jack Wolfskin)、右:SPIDER 24(deuter)

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BOBLEB-E


1. 用途
 daypackの意味を検索すると下記の定義がでてきますが、用途にあわせて分化・発達した様々な製品があります。私のSPIDER 24はオーソドックスな日帰りハイク用といえますが、City Fusionはクッション材が配されてノートPCも運べる本・書類用、そしてDR-466iは内部にクッション材を配置して一眼レフカメラや交換レンズを効率よく収納できるetc.に含まれるものとなります。
 まず、「何に使うか」を明確にしてからデイパック探しをスタートさせるのがよいと思います。なお、例えばノートPCはクッション材を用いたインナーケースを併用することで、一般的なデイパックに収納が可能となるように、工夫次第で対応できる面もあるため、想像力を全開にする必要もあります。

daypack :
a small backpack, used for day hikes or for carrying books, etc..

Definition for daypack - Oxford Dictionaries Online (US English)
http://oxforddictionaries.com/definition/daypack?region=us

【容量・寸法・運搬重量】
 「デイパックの容量は何リットルまで」というものは特にありませんが、deuterがデイパックとしているものは最大30リットルで、ひとつの目安になると思います。deuterのSPIDER 24の高さは45cm、SPIDER 30の高さは49cmと寸法にも差があります。背負った状態での人とバックパックの寸法を考えると体格のよい人はSPIDER 30の方が背負った時のバランスがよいと思います。
 デイパックで運ぶことのできる重量は[0.2kg/L]×[容量(L)]、最大4~5kgが目安ではないかと思います。神田古書街へ出かけ、買いすぎて7kgほどの本をCity Fusionで運んだことがありますが、「これは過負荷だ! デイパックの寿命に影響する」を実感しました。

【ポケット、付属品など】
 デイパックの用途により、必ずしも全て備えている必要はありませんが、「何が必要か・・」を考える場合の参考として次に羅列してみます。

 ・ 外側にペットボトル用のポケット(折り畳み傘用にも使える)
 ・ A4サイズの書類、あるいはノートPCを入られる気室内のポケット
 ・ カメラをすぐ出せるポケット
 ・ 筆記用具、ノート、PDAを入れられるポケット
 ・ レインカバー(詳しくは下記を参照)

2. バックパネルとショルダーストラップ
 用途に合致したいくつかのデイパックを候補として選んだら、デイパックの背中と接触する部分のバックパネルの構造とショルダーストラップの構造を確認します。これらの部分はデイパックの背負い心地、快適性に直結します。(「バックパネルとショルダーストラップの組合せに、気室となる部分を取り付けたのがデイパック」ともいえます。)

■ バックパネル
 バックパネルはデイパックに入っているものが直接、背中に接触して不快な思いをしないための緩衝材として重要な役割をします。バックパネルのデザインは用途に深く関係し、背負った時の背中との接触状態が考慮され、用途によっては汗で不快な思いをしないように通気性に配慮された形状や素材を使っていることも必要です。そしてバックパネルは自立する十分な強度を有していることが必要です。

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SPIDER 24のバックパネル

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DR-466iのバックパネル

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City Fusionのバックパネル

【#24/7(Mountainsmith)の改造】
 #24/7、バックパネルがへたって背負いにくくなったため、気室側にインナーフレームを付加する改造をしました。

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バックパネルがへたった状態(左)、インナーフレームを付加した状態(右)

■ ショルダーストラップ
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ショルダーストラップの上部取付け部(左:City Fusion、右:SPIDER 24)

 背負い心地のよいショルダーストラップのチェックポイントを次に示します。

 ・ ショルダーストラップは左右が胸の辺りで近くなるように弧を描くデザイン
 ・ 肩に当たる部分の幅が6cm以上、そして1cm位の厚さのしっかりした芯材が入っているもの
   (肩と接触する端部は角張らない形状)
 ・ 左右のショルダーストラップの上部取付け部間の距離が開き過ぎないこと

 しっかりした芯材が入っているとその芯材の接触面全体で背負っている重量を分散する感じになりますが、薄いクッション材が入った程度のものでは重量を分散できず、重いものを背負う場合は痛みにもつながります。
 左右のショルダーストラップの上部取付け部間の距離、背負った状態は立体的となり、一概に何cmとはいえませんが、間隔が広いとショルダーストラップの一体感が「もうひとつ」という感じになります。
 City Fusionのショルダーストラップの芯材、SPIDER 24やDR-466iと比較すると軟らかく、ショルダーストラップの上部の取り付け部から5cmほどの長さ、布だけの部分があり、また、左右のショルダーストラップの上部取付け部間の間隔がSPIDER 24やDR-466iと比較として広いようです。どれが主要因となっているかは判断しかねるのですが、結果として背負った時、デイパックが少し大きいような感じを受け、フィット感が劣ります。ただ、以前のblogでMR.BIKEのチェストストラップをCity Fusionに移植したことを書きましたように、改善の対策はあります。

 デイパックを選ぶ際、ショルダーストラップが重要なことを気づかせてくれたのはカメラ用のKATA DR-466iでした。PENTAX K-7とSIGMA 150-500mmの組合せ、そして他のレンズなどを入れると4kg程度となりますが、DR-466iのショルダーストラップは厚みのあるしっかりした芯材の入ったもので背負い心地がよく、「負荷がかかって良さがわかる」という感じです。  ショルダーストラップが軟らかいクッション材をサンドイッチした構造のMR.BIKEから、上記のようにしっかりした構造のショルダーストラップのSPIDER 24に更新した際も、チェストストラップをしなくても自然とデイパックが身体にフィットする感じが得られました。

【ショルダーストラップの長さ調整】
 デイパックを近年のファッションにあわせて、ショルダーストラップを不必要に長くして背負う姿が見られますが、普通に腰から上の位置でデイパックを背負う長さ調整とし、ショルダーストラップを長くする背負い方は除外するものとします。
 バックパックの場合、背面長(バックレングス:ショルダーストラップのデイパックの上下の取付け部間距離)を背負う人に合わせて調整することが重要とされますが、デイパックでは背面長の調整可能なものはないと思います。上記の3つのデイパックの背面長は37cm前後で、私の場合、63cmほどに左右のショルダーストラップの長さを調整した後、背負ってみて、腕を前方に伸ばした状態で窮屈な感じがしないか、また、緩い感じがしないかを確認しながらショルダーストラップの長さを微調整しています。なお、夏と冬で着衣による厚さが影響するため、シーズンによるショルダーストラップの長さ調整も必要です。

【ショルダーストラップのテープ】
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City Fusionのテープとバックル

 #24/7で5kgほどのものを運んでいてショルダーベルトのバックルでテープがずれ、いつのまにか、ショルダーベルトの長さが長くなってしまったことから、用途が決まっていることもあり、テープ部を縫ってずれないようにしてしまいました。#24/7のテープ幅は24mm、SPIDER 24のテープ幅は20mm、DR-466iのテープ幅は26mm、厚さはいずれも約1mmです。ただ、#24/7はテープが軟らかい感じがすることからバックル部のデザインとも関係すると思いますが、テープの軟らかいものについては要注意かもしれません。

3. ハンドル部とファスナー
 デイパックは、左右のショルダーストラップに腕を通す基本的な背負い方、片方のショルダーストラップに片腕を通す背負い方、そして混雑した電車や人混みの中で通常のバッグのように手下げする、という3つの運搬形態があると思います。そこでデイパックもハンドルとして機能する部分が必要です。DR-466i、City Fusionは明確なハンドルとしてデザインされていますが、SPIDER 24は幅広のテープ的なもので、用途による設計意図が見えてきます。[追記: 『ボストン美術館 日本美術の至宝 』を見に行った際、展示室内でデイパックを胸の前になるようにショルダーストラップを通しました。海外でデイパックを使う時は防犯のために、後前にして使うという記事を目にしたことがありますが、国内でこのスタイルで外を歩くのは少し恥ずかしいものがあります。]
 ファスナーは内容物の重量に対して十分な強度が必要です。昔、使用のデイパック、荷物をぎゅうぎゅうに押し込んだらファスナー部の強度不足で口をあいてしまったことがあります。なお、「丈夫さ」を示すデザイン上の意図からサイズの大きいファスナーが選定される場合もあります。

4. レインカバーへの対応
 レインカバーを付属しているデイパックもありますが、付属していなくても単体売りのレインカバーがあります。
 レインカバーをデイパックにつける場合、上出のSPIDER 24のショルダーストラップの上部取付け部のようにデイパック上端より、ショルダーストラップの上部取付け位置が低い位置にあるとレインカバーをつけた時、レインカバーを伝わった雨水がバックパネル側に流れ、気室側が濡れにくくなります。そして普通に背負う時もデイパックの垂れた感じが軽減され、きれいな背負い姿になります。

5. その他
 その他、下記も選択上のポイントとなりますが、よいショルダーストラップのデイパックを選べば、自然とそれらも満足できるものが選べると思います。

 1) 縫製がしっかりしているもの(耐久性に関連)
 2) 布地が曲げるとガサつくような音を出さないもの(質感に関連)

 ドイターの「バックパックを正しく背負うには?」のWebサイトを下記に紹介します。バックパックは主にヒップベルトで重さを支え、ショルダーストラップはこれと組合せて重さを支える役割となります。一方、デイパックではヒップベルトを使わない場合が多いこと(日帰りハイクなど山歩きされる場合はその使用をお勧めします)から、同一に扱うことはできませんが、「調整する」という観点から、考え方は参考になると思います。

☆ ☆ ☆


 デイパック、店舗で実物に触れ、ショルダーストラップの長さを調整し、可能であればデイパックの中に2kg位のおもりとなるものを入れて背負ってみて、ショルダーストラップを介してデイパックが体にフィットする感じとなるものを選ぶのがよいと考えるのは、やりすぎでしょうか・・。

【追記】
 文字をたくさん書きましたが、最終的には「これが気に入った!」という感性で選ぶことになります。


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デイパック KATA DR-466iをPENTAX K-7とSIGMA APO 150-500mm F5-6.3用に入手:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2010-01-29
後継の普段使いのデイパック、Targus City Fusionに:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24
お気に入りのデイパックの補修:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2011-09-05
MR.BIKEのチェストストラップをTargus City Fusionバックパックに移植:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
新しいデイパック、SPIDER 24(deuter)について:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
https://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2012-04-26
ドイター-バックパックを正しく背負うには?
http://www.iwatani-primus.co.jp/products/deuter/carring.html
モンベル | カスタマーサービス | バックパックのお手入れ方法
http://support.montbell.jp/common/system/user/infomation/disp.php?site_category_id=7&infomation_id=10
・ 手入れ方法、参考となります。


[ドイター] スパイダー24

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  • 出版社/メーカー: deuter(ドイター)
  • メディア: ウェア&シューズ



KATA カタ デジタルバックパック KT DR-466i-BR

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  • 出版社/メーカー: KATA
  • メディア: 付属品



Targus City Fusionバックパック TSB163AP

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DEUTER(ドイター) レインカバー1

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うえいぱうわ

想定している用途ごとに細かく分かれて、目的に特化して
しまっているところもあるし、合わせてサイズも様々なので、
自分の体をバッグに合わせにいってる状態ってありますね。

シンプルなデザインものは、そもそも調整するところがなく、
でも細かく調整できるものは、ストラップも多くなって街中で
使うにはうるさいデザインと。ケーズバイケースですけど、
手こずってます(笑)
by うえいぱうわ (2012-06-05 21:41) 

robotic-person

>うえいぱうわさん、
色々書きましたが、最終的には「使って嬉しくなるか?」と単純な質問を自分に問いかけて決めますね!

by robotic-person (2012-06-06 08:46) 

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