子どもの虐待死の報道はなくなることがありません (T_T)
 社会保障審議会(児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会)「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第17次報告)」(令和3年8月)で「平成31年4月1日から令和2年3月31日までの間に発生し、又は表面化した子ども虐待による死亡事例72例(78人)」が伝えられています。しかし、2016年4月8日、日本経済新聞によって「日本小児科学会は8日までに、虐待で死亡した可能性のある15歳未満の子供が全国で年間約350人に上るとの推計を初めてまとめた。東京都や群馬県など4自治体分のデータ分析に基づく試算。厚生労働省の2011~13年度の集計では、虐待で死亡した可能性のある子供は年69~99人(無理心中も含む)で推移しており、厚労省の集計の3~5倍になっている。(略)」が報じられています。海堂尊(著)「死因不明社会 Aiが拓く新しい医療」(2007年、講談社)で指摘される児童虐待死を特定できない医療の問題もあります。

 杉山春 (著)「ルポ 虐待 ー 大阪二児置き去り死事件」(2013年、筑摩書房)をBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました。ルポとされるように虐待死させた母親の人生に関する取材から判決が確定するまでが描かれています。「第一章 事件」で事件を起こした母親の解離性障害について触れられ、「第二章 父の物語」でその母親の育った辛い環境が描かれていました。「平島奈津子先生に「解離性障害」を訊く」(日本精神神経学会)で「(略) 解離性障害は解離症状を主とする病気で、患者さんは、そのために社会的・職業的に支障を来し、対人関係にも困難を抱えています。要因としては心的外傷体験、幼少期の主たる養育者との愛着の問題、解離を生じる素質などが考えられていますが、現在の患者さんが抱えているストレス状況も病状の程度や経過に少なからず影響を与えます。(略)」が指摘されています。虐待死させてしまった事実は事実ですが、昨年のblogで触れた友田明美 (著)「子どもの脳を傷つける親たち」(2017年、NHK出版)で書かれたことを考えると・・、になりました。

 石川結貴 (著)「ルポ 居所不明児童 ー 消えた子どもたち」(2015年、筑摩書房)もBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました。総務省自治行政局住民制度課の話とする「住民登録が削除された人の人数については、成人、未成人にかかわらず、一切調査していない」(p.54)には「・・」となりました。

 2019年1月24日、千葉県野田市で小4女児が両親より継続的な虐待を受けて死亡した野田小4女児虐待事件を忘れることはありません(母親は父親のDVによって意識がコントロールされた状態となり、事件に加担したと考えられます)。そして報道などで伝えられる児童相談所の対応の問題も忘れることはありません。2009年のblog千葉県の児童相談所は6ケ所しか、ないことを書き、令和3年4月1日現在、その数は変わっていないのを確認しました。2014年のblogで「コミュニティーソーシャルワーカー育成研修(基礎研修)」(千葉県社会福祉協議会主催)を受講した際、最近の児童虐待事件について触れながら「色々手を差し伸べた上、最終的に親子で暮らせるようになるのがよい」と講演者が話されたことに「カチン」となったことを書きました。そのような理由もあって山脇由貴子 (著)「告発 児童相談所が子供を殺す」(2016年、文藝春秋)をBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました。「著者の「覚悟の告発」がありながら、なぜ・・」です。

 川崎二三彦 (著)「児童虐待: 現場からの提言」(2006年、岩波書店)と、南部さおり (著)「児童虐待 ― 親子という絆、親子という鎖」(2011年、教育出版)はBOOKOFF 6号南柏店で入手しました。

 宿谷晃弘 (著)「人権序論 ― 人権と修復的正義のプロジェクトの構築に向けて」(2011年、成文堂)はBOOKOFF SUPER BAZAAR イトーヨーカドー流山店で入手しました。ページを開いて「第2編 人権に関する現代的諸問題」の「第6章 児童虐待」の「3. 児童虐待の事例」(p.140)でそこに記された内容に愕然とさせられたことによります。名古屋地裁岡崎支部の前へ行き、やりきれない思いがしたことを2019年のblogで書きましたが、さらにやりきれない内容でした。