「発達障害の子どもたち」、児童虐待について：ロボット人間の散歩道：SSブログ

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「発達障害の子どもたち」、児童虐待について　[3. 記事] [編集]

　古書は神田神保町で入手することが多いですが、所用ででかけた際に立ち寄った東大赤門前の大山堂書店（哲学・仏教等、東西の思想書を中心に扱う古書店）の店頭に並べられた本で杉山登志郎著『発達障害の子どもたち』（2007年、講談社現代新書、写真上）が目にとまり、購入してきました。著者の経験したケースを紹介しながら発達障害について解説する本で大人の発達障害についても触れられ、勉強になりました。
　児童虐待のニュースを昨今、数多く目にします。ボランティア活動の関係で県の下記の研修を受講しましたが、その中で講師の児童虐待に関する発言について考えさせられたことからそれを紹介します。

■　コミュニティーソーシャルワーカー育成研修（基礎研修）
　「コミュニティソーシャルワークとは、地域において生活上の課題を抱える個人や家族に対する個別支援と、それらの人々が暮らす生活環境の整備や住民の組織化等の地域支援をチームアプローチによって統合的に展開する実践です。」（特定非営利活動法人日本地域福祉研究所のコミュニティソーシャルワーク実践者養成研修の案内より）とされます。
　受講した研修は千葉県社会福祉協議会の主催で目的は「コミュニティソーシャルワークの手法を学び、小地域福祉活動を展開するために必要な技術を身につける」で、講師は某女子短期大学の教授でした。講義は「課題解決に向けた方策の検討を通して、小地域福祉活動の展開方法について学ぶ」とされながら、未消化としか思えない資料を羅列してそれを紹介するもので検討といった深いレベルに立ち入るものではありませんでした。そして実習としてKJ法（単にpost-itに書いたものを並べる作業だけで、KJ法というにはおこがましい内容でした）を紹介されましたが、知らない人が聴講したら「KJ法がコミュニティソーシャルワークの手法」と誤解するものです。単に所定の講義時間を費やすために利用したとしか思えませんでした。そして講義の部分で、最近の児童虐待事件について触れ、「色々手を差し伸べた上、最終的に親子で暮らせるようになるのがよい」と話されたのには、カチンときてしまいました。児童虐待が起きるケースは様々で親に子供を育てる能力がない場合もあります。その状態で子供を親の手に返したら何が起きるか・・。休憩時間に講師にそのことを指摘したところ、休憩時間後に私の指摘に対応する形で訂正の発言がされましたが、「最終的に親と子供を一緒にするのが理想だが・・」という言葉を繰り返している状態でした。
　児童相談所が判断を誤って幼い子の命を救えなかった事例が時々、報じられます。この教授の言葉を鵜呑みにした学生が就職して児童相談所に配属され、その教えを守ったために幼い子の命を救えなかったら・・。「児童虐待に対応していくには、社会福祉教育の現場、そしてその内容についても見直していく必要があるのでは」と考えさせられています。