NHKのクローズアップ現代で「戸籍のない子どもたち」(2014年5月)を見た時、日本の民法第七百七十二条が如何に時代を無視したものか気付かされ、愕然としました。
 法制審議会が古川禎久法相に、結婚や離婚の時期によって生まれた子どもの法律上の父親を決める「嫡出推定」の見直しと女性だけに課されている再婚制限をなくすことを答申したことが2月14日に報じられました(法制審議会民法(親子法制)部会第25回会議(令和4年2月1日開催)による「民法(親子法制)等の改正に関する要綱案」)。

【民法】
(嫡出の推定)
第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

(再婚禁止期間)
第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

 秋山千佳 (著)「戸籍のない日本人」(2015年、双葉社)をBOOKOFF 岡崎井ノ口店で入手しました。上記のNHKのクローズアップ現代に出演された棚村政行先生への取材内容も紹介され、棚村先生の「戸籍制度は家制度とともに発展したものだから、どう考えても時代に適合しなくなっている」という指摘に同意です。そして本書を読んでいて自民党保守派の馬鹿さ加減にやりきれない気持ちになりました。
 「夫(恋人)からの暴力」調査研究会 (著)「ドメスティック・バイオレンス ― 実態・DV法解説・ビジョン [新版]」(2002年、有斐閣)、尾崎礼子 (著)「DV被害者支援ハンドブック ― サバイバーとともに」(2005年、朱鷺書房;リンク先は2015年発行の改訂新版)、DV問題研究会 (著)「Q&A DVハンドブック ― 被害者と向き合う方のために [改訂版]」(2006年、ぎょうせい)、冨永忠祐(編)「Q&A ドメスティック バイオレンス 児童・高齢者虐待対応の実務」(2009年、新日本法規出版)の入手を昨年のblogで触れました。
 東京弁護士会 両性の平等に関する委員会 (編)「DV・セクハラ相談マニュアル」(2012年、商事法務)をBOOKOFF 6号松戸馬橋店で入手しました。そして東京弁護士会から提出の「民法第772条の改正を求める意見書」を確認しました。
 「夫婦親子男女の法律知識 [第3版]」(2016年、自由国民社)はBOOKOFF 秋葉原駅前店で入手しました。「第3章 親子間で起こる争いと解決方法」の中で「親子関係の法律と手続き」、「第6章 DV・児童虐待・高齢者虐待・ストーカーへの対策方法」がありますが、本の性格から無戸籍に踏み込んだ記述はありませんでした。
 現在、無戸籍となられている方たちの救済の道の開かれることを強く願います。