先のblogのように小宮山書店で6月2日にまとめ買いした本の読書の記の続きです。
 1冊は大江健三郎氏が執筆して30歳の時に出版された「ヒロシマ・ノート」(1965年、岩波新書)*です。1963年に広島に訪れた著者がその後も広島に訪れ、原爆で被爆された方達のことについて書かれながら当時の時代を切り取る内容となっています(私は本書のことを知りながら、これまで読む勇気がありませんでした)。読みながら「本書が出版された当時から50年以上経った今日が進歩したか?」と考えると寂しい気持ちになりました。
 もう1冊は林重男氏の「爆心地ヒロシマに入る カメラマンは何を見たか」(1992年、岩波ジュニア新書)です。著者は原子爆弾災害調査団に加わり、1945年10月1~10日の間、広島の被爆状況の撮影を行い、続いて10月12~22日の間、長崎の被爆状況の撮影を行ないました。これらが本書の中心的な内容となっています。また、著者の戦時中のカメラマンとしての活動、原爆の被害を撮影された原爆カメラマンとされる方々のこと、1973年にアメリカから返還された原爆関係の資料(写真などを含む)に関する内容も記載されていて1945年の敗戦の影響が続いていたことを認識させられました。岩波ジュニア新書ですが、大人にも勧められる内容です。

*:最近の岩波新書より文字が多いかなと思って確認したら、1行42文字は同じですが、今日は1ページ16行なのが17行ありました。