3月4日午後9時から放送の
ＮＨＫスペシャル「“河川津波”～震災７年 知られざる脅威～」を見ました。この番組を見ていて、北上川の蛇行した部分で津波が堤防を越流したことに対して「遠心力」という言葉を使ったナレーションがありましたが、「直進しようとする運動エネルギーによるもので、遠心力という言葉は適切ではない」と気になってしまいました。
「制作期間が充分でないドタバタの中でナレーション原稿が作られ、チェックが入っていなかったのか」と思い、NHKの
『メールによるご意見・お問い合わせ』で
「北上川の蛇行した部分で津波が堤防を越流したことに対して「遠心力」という言葉を使ったナレーションがありましたが、「直進しようとする運動エネルギーによるもの」で、遠心力という言葉は誤りです。この部分は正しく訂正して再放送などに対応してください。間違った知識を視聴者に与えないでください。」と投稿しました。
これに対して「ＮＨＫスペシャル」担当とする人物から、次のメールが入りました。
『常日頃より、NHKの放送をご覧いただきありがとうございます。
「ＮＨＫスペシャル “河川津波” ～震災７年 知られざる脅威～」へのご意見について回答させていただきます。
ご指摘いただいたように、津波の直進しようとする性質から生じた”遠心力”としてコメントいたしました。つまり津波が川を遡上した場合、蛇行する川の曲がりに対して、津波の直進する力が外側へ向かい、遠心力となるという意味です。
ご意見ありがとうございました。
今後ともＮＨＫの放送番組をよろしくお願いいたします。
「ＮＨＫスペシャル」担当
ＮＨＫふれあいセンター（放送）』 「遠心力」は例えばWikipediaで「遠心力（えんしんりょく、英: centrifugal force）は、慣性系に対して回転している回転座標系において作用する慣性力の一つである。」と解説されています。そして堤防を越流する河川津波にはそのようなものはありません。届いた回答、理系の知識が欠如した論理性のないもので、NHKの科学関係の番組のレベルが不安になってきました。
本blogをはじめたのは早稲田大学大学院政治学研究科の科学技術ジャーナリスト養成プログラムの第一期の学生となったのがひとつのきっかけでした（
blog）。NHKの番組はよく見ますが、NHK制作の全ての科学に関係する番組を疑問の眼で見なければならないとしたら疲れます (T_T)
----------
NHK 番組表 | ＮＨＫスペシャル「“河川津波”～震災７年 知られざる脅威～」 | 東日本大震災の津波は、川をさかのぼり、海から離れた内陸にも被害をもたらしていたことがわかってきた。専門家とともに“河川津波”を解析。命を守るための手段を考える。
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2018-03-04&ch=21&eid=34966&f=46早稲田大学大学院 科学技術ジャーナリスト養成プログラム：ロボット人間の散歩道：So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2006-04-08