『鍛造技術の館』愛知製鋼(株)の創立60周年記念事業のひとつとして2000年3月に開設され、知多半島に残る「大野鍛冶」の伝統の技である野鍛冶の「ものづくりの心と技」もあわせて後世に伝承することも目的としています。「いってみたい!」の思いがやっと実現しました*
 鍛造技術の館の見学、運よく、館長を務められる方から例えばクランクシャフトの製造技術の進化;焼入れ焼戻し工程を省略しても調質鋼と同等の品質を確保できる材料を用いることで、リードタイムの圧縮、工程内の在庫削減が可能になったことなど;や各社の材料や製造技術の技術開発競争で、従来は熱間鍛造部品だったものが、用途によっては冷間鍛造部品、板金加工による部品も用いられるようになり、厳しい競争にあることなどをご説明いただき、今日の技術の現状を垣間見ることができました。
 館内の各コーナーに用意されたビデオ映像は必見で、産業用ロボットの応用の映像もあり、以前では人がハサミを用いて高熱の加工対象を移動する作業を行なっていたのが、工場内で働く100台ほどロボットによって作業環境が大幅に改善されたとのことです。なお、大野鍛冶の展示の中で備中鍬を鍛冶職人の人たちが製造している映像もあり、「鍛冶屋さんの仕事は鍛造の技術を応用したものなのか・・」と今頃になって気付かされました。
 機械工学を学ぶ学生さんなどに是非、見て欲しい展示施設です。