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「地震と社会 上 「阪神大震災」記」、「地震と社会 下 「阪神大震災」記」 [本と映像・音楽の話]

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 書架に外岡秀俊(著)の「地震と社会 上 「阪神大震災」記」(1997年、みすず書房)と「地震と社会 下 「阪神大震災」記」(1998年、みすず書房)が入っています*。これらの本は著者の朝日新聞社のニューヨーク支局員時代、1989年10月17日に米国カリフォルニア州北部で発生したロマ・プリータ地震Loma Prieta earthquake**を取材したことから、1995年1月17日発生の阪神大震災を取材することになり、《下巻》の「あとがき」で「(略)阪神大震災とは私にとって、この国のシステムが崩壊する現場であった。だからこそ被災地で何が起きたのか、その全体像を包括的に記録する必要がある、と思った。(略)」と書かれる内容へ正に対応しています。そして《上巻》の「序章 方法について」で「(略)これからの作業は、まず阪神大震災で浮き彫りになった問題を分野別に検討し、それが過去との比較でどのような意味をもっているか、歴史的な経過を踏まえて考えてみたいと思う。(略)」として次の章立てで構成されています。
 本書は序章で示されるように歴史的な経緯を踏まえながら阪神大震災について地震研究、建築設計、都市計画、行政などについて語られ、消火活動や救助活動、ボランティアの活動、マスメディアの活動***などを読んでいてその姿が目に見えるような感じがしました。「大震災に関係することになる専門家、行政職、そしてこの分野に関心のある一般の方の必読書」と実感しています。

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