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兄から「がん」を伝えられた2017年のメモ書き [3. 記事]

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 NHKのBSプレミアムで「ツーショット 最高のふたり「山中伸弥と平尾誠二」」が2021年2月2日に放送されました。平尾誠二氏が亡くなられたのは治療の困難な胆管細胞がんのためでした(神戸新聞の平尾誠二さん特集)。そして番組を見ながら兄のことを思いだしてティシュボックスのティシュに手を伸ばすことになりました。

 2017年5月14~18日の間のblog、「5月の花」として「諸般の事情でしばらく本blog、お花の写真の予約投稿とさせていただきます。皆様のblogへの訪問もしばらく滞ることになると思いますが、ご容赦ください。」と書きました。そして2019年4月の「墓地で・・」のblogで「2年前に亡くなった親族の墓参りに・・」と書きました。この親族とは「国語辞典の思い出」の中の国語辞典の持ち主であった私の兄でした(「きょうだい児」のblog)。彼は一人暮らしだったため、唯一の家族として当時、対応していました。
 以下、2017年当時のメモ書きをblogへの掲載を考えて2021年2月11日にまとめたものです(公開せずに今日に至りました)。

* * * * *

2017年4月28日
 午後8時、1ヶ月ぶりに兄に電話したら、声の調子がおかしい。そして「がん」が体中に転移との診断を受けたことが伝えられる。治療で体中が痛いとのこと。私に今まで頼み事をするような兄ではなかったが、力ない苦しい声で「(俺が逝くまでの間の)お前の時間をくれ」と伝えられる。

4月29日
 兄の家に行くため、私が活動するボランティア組織の2017年5月7日の総会の総会議案書をまとめ、会員に配布。そして副会長に「兄がどのような状況にあるか、行ってみないとわからない」ことを伝える。

4月30日
 兄の家に行き、その姿を見る。冗談交じりに「倒れて何ヶ月も放置した状態は避けたいから」と毎月、彼の家に行くようにしていて、1ヶ月前にも会い、その時は彼の眼が充血しているのに気づき、聞いたところ、「剪定した時のもので(庭師という)職業病だ」という答えが返ってきて、他の体の異常は伝えられなかった。しかし、その日に見る彼は一人でちゃんと歩けない状態で日曜日のため、救急対応の病院を調べた上、「病院へ」と伝えたところ、「車いすを調達して欲しい」となり、彼の性格から近くのホームセンターでそれを調達し、それに彼を座らせ、彼の診断書を持ち、私の車に乗せて病院に連れて行く(午後2時)。診断書を見せ、診察後、ベッドに空きがあることを知らされ、即、入院を決める。
 診断した医者から、「がん」が転移していてその部位から手術が困難で兄の余命が長くないことが伝えられる。

5月1~3日
 兄の引き出し等から連絡先を書いたノートやメモ書きを探し出し、兄の状況を連絡したい相手、仕事を継続できないことを伝えなければいけない依頼先を確認し、連絡をする。

5月4日
 5月3日の夜に私の住処へ戻り、ボランティア活動の総会には出席できないことを副会長に伝え、その進行について引継ぎを行う。そして夜、兄の家へ移動する。

5月5~14日
 本家の従兄弟に兄の状態について連絡し、葬儀について相談する(近い親族に連絡しての葬儀)。
 父*、母の葬儀を行った葬儀社へ行き、兄の余命が少ないことを伝え、兄が亡くなった時の対応について打ち合わせる。
 兄の状況を連絡した相手から病院への見舞いがある。仕事が途中で完成できない相手には前渡金の半額を届ける。
 NTTドコモの携帯電話が兄の部屋にあり、兄から「入手したが、使っていない」と聞いて解約の了解を得てNTTドコモショップへ行く。最初のショップは「本人でないと解約できない」という返事で入院中でそれができないことが理解されなかったことから、別のショップへ行く。そちらのショップでは状況が理解され、解約手続きを終える。
 会話が日毎に困難となり、5月8日頃から会話が成立しなくなる。意識混濁のような状態に陥り、点滴の針を無意識で引き抜いていることを看護師から告げられる。このため、その防止のために彼の腕をベッドと結ぶようにお願いする(患者のベッドへの拘束が問題となるが、兄の状況を見て、「止むを得ない場合もある」を実感)。兄の状態は一種の「せん妄」といえるものであろうか。
 私の叔父である母の弟が亡くなり、その葬儀に出席した時、母の話す内容がおかしいことに気づき、お腹が膨れていることから、病院へ兄と連れていき、肝硬変で腹水が溜まり、肝臓に「がん」があるとの診断(このままでは余命3年位)を受け、即、入院となった**。兄の判断で母に「がん」であることは伝えず、腹水を抜くなどの治療を受けたが、手術はしなかった。この時、母の状態について調べ「肝性脳症」を知った。兄と意志疎通ができなくなる直前の兄との会話は母の腹水が溜まっていた当時を思い出す。

5月15日
 早朝、病院より兄が危篤状態との電話が入り、病院へいく。そして臨終に立ち会う(病院への支払は後日行う)。そして葬儀社へ連絡をとり、病院から葬儀場へ兄を移送する。

*:「忙しい」を言い訳に実家に帰ることを止めていた9年目の2003年、兄から父が胃がんの手術を受けるとの電話があり、父の手術の行われる病院へいく。手術後、切除した部位を医者に見せられ、「後は大丈夫ですよ」と告げられる。そして私は住処に帰る。しかし、父の入院中、父と兄が激しいやり取りをしたこと、父が回復に対する意欲を失い、他の病院に転院となったことを後に母から聞く。父はその年に他界(2024年のblogの私の子ども時代に辛い思い出を与えた理由は聞くことはできず。聞けたとしても「そんなこと言ったか」と忘れられている可能性大・・)。

**:「肝がんの主な原因は、B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)への持続感染といわれています。」(国立がん研究センター)とされ、「昭和23年から昭和63年までの間に受けた集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)の際に、注射器(注射針または注射筒)が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方は最大で40万人以上とされています 。」(厚生労働省)から「母の肝がんは集団予防接種が原因?」となったが、確認する術は・・。母は介護施設に入居し、医者から伝えられた余命に近くなって体調悪化から入院。そして母は兄の立ち会いで臨終を迎える(2011年)。

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神戸新聞NEXT|連載・特集|平尾誠二さん特集|平尾さん闘病の胆管がん 手術困難なケース多く 専門家が解説
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/hirao-seiji/201610/0009616540.shtml
飛び抜けて高い死亡率…平尾誠二、川島なお美を襲った「がん」の正体(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50326
胆道がん(胆管がん・胆のうがん) とは(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル
https://doctorsfile.jp/medication/193/
【第4回】行動と言動の混乱 | 日本尊厳死協会
http://www.songenshi-kyokai.com/messages/column/styx/197.html
肝性脳症の症状 - 肝臓の病気にかかると出現する症状 | よくわかる肝臓の病気「疾肝啓発」
http://www.kansikkan.jp/complications/02.html
せん妄 | 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/senmou.html
せん妄 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84
せん妄 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/09-%E8%84%B3%E3%80%81%E8%84%8A%E9%AB%84%E3%80%81%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84%E3%81%A8%E8%AA%8D%E7%9F%A5%E7%97%87/%E3%81%9B%E3%82%93%E5%A6%84
B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします) |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/b-kanen/index.html
肝がんの原因・症状について|国立がん研究センター
https://www.ncc.go.jp/jp/information/knowledge/liver/001/index.html
国語辞典の思い出:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2017-10-25-1
5月の花:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2017-05-14
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クリスマスのころ、考えること:ロボット人間の散歩道:SSブログ
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「愛着障害 ー 子ども時代を引きずる人々」、「愛着障害の克服 ー 「愛着アプローチ」で、人は変われる」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
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