映画で描かれる障害 [脳、心、リハビリ]
(本blog、2006年2月24日に下書きしてアップすることなく、18年経ってしまいました。リンク切れの修正と一部補足してアップします。今日、「障害」を「障がい」と表記することが多いですが、書いた時のままとさせていただきます)。
映画の中で様々な障害が描かれています。映画という媒体で、観客に見てもらえないことにははじまりませんので表現には限界がありますが、それでも心を打つものが多く、障害の一端を理解するのに勉強となります。
「奇跡の人」はヘレンケラーと彼女の教師となったアンニー・サリヴァンを中心とした物語。社会福祉法人ヘレン・ケラー財団のWEBサイトに「ヘレンケラー物語」が紹介されています。
「アルジャーノンに花束を」(公開当時はこれと異なった題名でしたが)は一種のSF映画ですが、知的障害の主人公役のクリフ・ロバートソンの演技が心に残るものでした。この映画をみたためか、私が最初に手にしたペーパーバックは上の "Flowers for Algernon" でした(2017年のblogで教文館で入手したことを書きました)。まだ、Daniel Keyesの本が広く知られていない時で、たまたま仕事場でこの本のことで盛り上がることができた知人ができたのはうれしい思い出でした。脳科学の研究がすすんでいる今日ですが、この映画のことをいつも思い出します(Daniel Keyes氏の逝去について2014年のblogで触れました)*。
「マイ・レフトフット」は実在する脳性小児麻痺の画家のクリスティ・ブラウンの半生が描かれた映画。描き方によっては辛くて最後まで見ることができないものとなってしまうと思うのですが、この映画は難しいバランスをうまくとった表現となっています。
「レインマン」はダスティン・ホフマンの自閉症の演技に驚かされた映画。この映画により自閉症について知ろうという気持ちになりました(2019年のblogを書けたのも)。
ジーン・ハックマンとアル・パチーノの共演による「スケア・クロウ」。キリスト教的な宗教観のためか、映画の最後に精神が破綻してしまうアル・パチーノの演技を今も忘れることができません。私自身が目にした体験と深く結びついているのかもしれません。
後にノーベル賞を授賞する統合失調症の数学者ジョン・ナッシュを主人公に、彼の視点を中心に描いた映画が「ビューティフル・マインド」。なお、統合失調症の病状には様々なものがあることを理解しながら、この映画を観る必要があると思います。統合失調症の理解には(社)日本精神神経学会のWEBサイトも参考となります。(【追記】 「『ビューティフル・マインド』モデルの数学者、夫婦で事故死」が報じられました(2015年5月25日、シネマトゥデイ))。
「ジョニーは戦場にいった」は映画の内容を本で読み、勇気がなく、見に行くことができませんでした。文庫本にもなっていたと思いますが、今は絶版となってしまったのでしょうか。現在も世界のどこかで戦いがあり、民間人も巻き込んで痛ましいことが起きていることを考えるとやりきれない気持ちです。
*:「日本で一番売れたSF作品は? 『アルジャーノンに花束を』より100万部以上売れている本」(Book Bang)で「「アルジャーノンに花束を」が国内累計の発行部数が340万部を突破」として現在もヒット作であることを知りました。
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自閉症、アスペルガー症候群、そして・・・:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2005-12-17
“Flowers for Algernon”の著者、Daniel Keyes の逝去を報じるニュース:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2014-06-18-1
教文館:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2017-11-29
きょうだい児:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2019-04-18
「ヘレン・ケラーはどう教育されたか ― サリバン先生の記録」、「障害者は、いま」、「電子書籍アクセシビリティの研究」、「障害者雇用とディスアビリティ・マネジメント」、「相模原事件とヘイトクライム」:ロボット人間の散歩道:SSブログ
https://robotic-person.blog.ss-blog.jp/2022-12-03
アルジャーノンに花束を〔新版〕 | 種類,ハヤカワ文庫NV | ハヤカワ・オンライン
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000012638/
日本で一番売れたSF作品は? 『アルジャーノンに花束を』より100万部以上売れている本 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
https://www.bookbang.jp/review/article/762462
Flowers for Algernon: Student Edition
- 作者: Keyes, Daniel
- 出版社/メーカー: Mariner Books
- 発売日: 2004/06/14
- メディア: マスマーケット
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