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公開シンポジウム「若手アカデミーが考えるシチズンサイエンスに基づいた学術横断的社会連携」(2018年7月28日、日本学術会議講堂) [科学技術とジャーナリズム]

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 7月28日13:30から日本学術会議講堂で公開シンポジウム「若手アカデミーが考えるシチズンサイエンスに基づいた学術横断的社会連携」が開催で、先のblogのように高木仁三郎(著)「市民科学者として生きる」(1999年、岩波新書)を読んでいた関係から「どのような内容のシンポジウムだろうか?」と気になり、台風12号が近づいていましたが、参加しました(参加者は台風の影響で30名ほどだったと思います)。
 基調講演の「オープンな情報流通によって変容するシチズンサイエンスの可能性」(林和弘、文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席研究官)の講演の内容は氏が取り組んでいた論文などの学術情報のインターネットによる流通の改善を中心に、情報のオープン化によって市民の知識を高め、市民の力をサイエンスの分野に活用してイノベーションを起こす、といった内容で、現在の政府の政策に沿ったものでした。私の理解する市民科学と異なるもので質問の時間に聞いたら「日本は市民科学について特殊事情がある」として高木仁三郎氏を批判する言葉がでてきました。学術情報のオープン化について「現在、博士課程にある人にとって学会誌で何本論文が掲載されたというのもあるのではないか」と質問したところ、「学会をなくすという考え方もある」という飛躍した答えがありました。
 高木仁三郎市民科学基金の方だったと思いますが、林氏のいう日本の「市民科学」の特殊性という言葉に対して、「欧米ではグリーンピースFOE(Friends of the Earth)といった活動があることを理解しなければならない。この現状をとらえて高木先生のいう市民科学を理解する必要がある」といった指摘がありました(ありがとうございます)。
 文部科学省はメディア・リテラシーについて関心が高まった時、コンピュータ・リテラシーにすり替えてコンピュータ機器の導入を進め、メディア・リテラシー教育に力をいれることはなかったと思います(「そのようなことをすれば、従順でない国民が育ってやりにくい」という行政の意思が働いたと推定されます)。
 「市民科学」ということばを「シチズンサイエンス」という言葉にすり替えて国民を利用しようとする動きのあることが、今回のシンポジウムに参加して読み取れました(日本学術会議は、科学者による独立した組織ではありませんので)。

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公開講演会・シンポジウム(社会との対話)|日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/event/index.html
高木仁三郎「市民科学者として生きる」(1999年、岩波新書):ロボット人間の散歩道:So-netブログ
https://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2018-07-11
国際環境NGOグリーンピース | 国際環境NGOグリーンピース
http://www.greenpeace.org/japan/ja/
Home - Friends of the Earth International
https://www.foei.org/
国際環境NGO FoE Japan
http://www.foejapan.org/
林和弘 - 研究者 - researchmap
https://researchmap.jp/kaz_hayashi/

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