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自家製フレットレスベース [2. 道具(その他)]

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 先のblogで私のセミアコースティックギターのVGD1000(Vesta Graham)をプロデュースした椎野秀聰氏の著書『僕らが作ったギターの名器』(2010年、文春新書)について触れました。2月25日、国立情報学研究所の平成27年度の市民講座「情報学最前線」を聴講した後、丸善・丸の内本店へ行き、この本を入手しました。そして私がエレクトリックギターやベースに熱中していた頃のことや楽器の製作について書かれていることから一気に読んでしまいました。
 楽器に熱中していた時代、神田小川町のESP(だったと思いますが)でフレットの取り付けられていないネックを目にし、フレットレスベースを製作したくなり、そのネックとPBタイプの未仕上げのボディーを購入し、部品を色々選んだり、製作して組み立てました。その製作過程で牛骨のナットによる開放弦の鳴り方(音の立ち上がりがよく、伸びる音)に対して、フレットのない指板で弦を指先で押さえた時の鳴り方(音の立ち上がりが穏やかとなり、音の伸びが減少)の差が大きく、ナットの素材を黒檀とすることで開放弦での音の鳴り方を変えて対応しました。また、この交換で4弦のデッドポイントも目立たなくなりました。この経験があることから、著者の音作りに関する記述、よく理解できました。
 「あの頃」の情熱を思い出させてくれたよい本に出会うことができました (^_^)

【自家製フレットレスベース】
 フレットレスベースを世に広めたJaco PastoriusのEベースはFENDER JAZZ BASSを改造したものです。
 私のフレットレスベースのネック(ネック部:メイプル、指板:ローズウッド)の幅は実測約38mmで、FENDER JAZZ BASSのナット幅は1.5" (38.1 mm)、PRECISION BASSのナット幅はそれより太い1.625" (41.3 mm)であることからJB用のネックといえ、細めで弾きやすいです。
 一方、ボディはそれまでFERNANDESのPBタイプのEベースを使っていたこともあり、演奏時の重量バランスなどから同様にPBタイプ(材の種類はアルダーだと思います)を選び、ボディの背面の角のある部分を私の体にあわせて少しだけ削り、塗装しました。私のフレットレスベースはいわばJBのネックとPBのボディの合体モデルといえます。なお、今日のFENDER PRECISION BASSで2ピックアップのモデルはナット幅が1.5"(38.1 mm)のものもあります。
 現在、例えばイケベ楽器店のWebsiteのフレットレスベース一覧を見ると多数のフレットレスベースが流通しているのがわかりますが、このベースを製作した当時、フレットレスベースは市場にほとんど出回っていず、「Eベースのフレットを抜き、指板の抜いた跡を埋めて自作するしかない」といわれていました。隔世の感があります (^_^;

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ペグ、テンションピンはゴールドの仕上げ。ヘッド部の前面をボディと同色で塗装

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黒檀(エボニー)のナット

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最初のペグはシルバーでしたが、後にゴールドに交換したため、以前のペグを取り付けた孔を埋めた痕が

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ボルト・オン・ネックのネックジョイント。ネックプレートは以前、ゴールドで輝いていましたが・・

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ピックアップまわりのカバーはプラスチック板から加工。フィンガーレストも下側はアールのついた形状に加工
・ 最初、取り付けたスプリット・シングルコイルのピックアップは出力が大きかったですが、繊細さに欠ける感じで交換

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FERNANDESのベースのブリッジを部品で購入して使用

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真鍮板からカットして製作したコントロールパネルにボリュームノブ、トーンノブを取り付け。スイッチはピックアップのシリーズ接続とパラレル接続の切り替え用

【材料一覧】
 ・ ネック(フレットなし、JBタイプ)
 ・ ボディ(PBタイプ)  ・・・ 未仕上げのものを表面仕上げして塗装
 ・ ペグ(4組)
 ・ テンションピン
 ・ ナット(木製) ・・・ 弦に合わせて溝を加工
 ・ ネックプレート及び木ネジ
 ・ フィンガーレスト及び木ネジ ・・・ フィンガーレストの下部を削る
 ・ ピックアップ(スプリット・シングルコイル)(1組)
 ・ ピックアップカバー及び木ネジ ・・・ プラスチック板から加工
 ・ ベース用ブリッジ及び木ネジ
 ・ ストラップピン×2
 ・ コントロールパネル及び木ネジ ・・・ 真鍮板から切り出して穴あけし、保護塗装
 ・ ボリュームコントロールポット
 ・ トーンコントロールポット
 ・ コンデンサー
 ・ ノブ ×2
 ・ ミニスイッチ(6P、オン-オン)
 ・ モノラルジャック
 ・ 配線材料

【Eベース用弦】
 ベース用の弦、ラウンドワウンドとフラットワウンドで出てくる音は全く異なります。ラウンドワウンドは指板の磨耗が気になる一方、フラットワウンドは地味な音となるため、これらを考慮して、現在、LA BELLAの760Q-L (Quarter Round)を取り付けています。

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■ BB1200(YAMAHA)
 BB1200(YAMAHA)も使っていました。通しネックで音の伸びはよいですが、重量バランスがトップヘビィで立って演奏する際、少々疲れました。現在は近くの中学校の音楽部で・・

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■ マルチトラックレコーダ
 以前のblogで多機能ミキサーと4トラックカセットレコーダーを組み合わせたModel 380S (FOSTEX;写真下)について書きましたが、椎野氏のつくった会社Vestaxが開発したMTR(マルチトラックレコーダー)をアカイ、ティアック、ヤマハにOEM出荷していたという記述を目にして、「私の使用していたModel 380S もVestaxのOEM製品だったのかな・・」です。

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私のギターも日本のヴィンテージ・ギターの仲間入り (^_^):ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2016-02-25
DR-07MKII (TEAC)のこと:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2011-08-22
ギターと音楽を愛する人へ 『僕らが作ったギターの名器』 (椎野秀聰 著)|自著を語る|椎野 秀聰(楽器設計家・ベスタクス株式会社社主)|本の話WEB
http://hon.bunshun.jp/articles/-/55
椎野秀聰「僕らが作ったギターの名器」文春新書: ちくわぶ
http://chikuwablog.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-4c05.html
A5 BASS (KORG) とイケベ楽器:ロボット人間の散歩道:So-netブログ
http://robotic-person.blog.so-net.ne.jp/2014-10-21
ギターパーツの通販、ギター修理・ギターリペア、ギター製作、ギターオーダー - GUITAR WORKS(ギターワークス)
http://www.guitarworks.jp/
ギターパーツ一覧|サウンドハウス
http://www.soundhouse.co.jp/category/middle/157
TRY!自作キット / ちょっと面白い楽器店あぽろんのオンラインショップ
http://www.apollonmusic.com/onlineshopping/products/list.php?transactionid=a0769acc15bb75bcdcdf92b21258c93d083d1605&mode=&category_id=205&maker_id=0&name=&orderby=&disp_number=15&pageno=2&product_id=&classcategory_id1=&classcategory_id2=&product_class_id=&quantity=&rnd=jew

僕らが作ったギターの名器 (文春新書)

僕らが作ったギターの名器 (文春新書)

  • 作者: 椎野 秀聰
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/09
  • メディア: 新書


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