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作業机兼ダイニングテーブルとしてIKEA BJURSTAを入手 [住居]

BJURSTA.jpg
BJURSTA ダイニングテーブル - オーク材突き板 - IKEA
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/00161663/

 IKEA三郷店のアウトレットコーナーで長さが140cm、180cm、220cmの3段階に変えられるダイニングテーブルBJURSTAが特価販売10,000円で売られていました。幅84cm、高さ74cmで、商品入れ替えのためと思いますが、オーク材突き板の仕上げに目立った傷はありません。
 「書類を机の上にたくさん広げて作業できるなあ」などと、しばし考えた後、購入を決めました。

 運搬用のカートに机が傷つかないように段ボールを敷き、IKEAの店員さんに机をカートへ載せるのを手伝っていただき、支払いを済ませました。そしてサービスカウンターで工具を借りて机の分解を進めながら、そこに用意された段ボールとガムテープを使って分解した机の部品を養生して私の車に載せられる荷姿とし、意気揚々と家路につきました。

■ 食卓の高さのこと
 食卓の一人分のスペースは60cm×40cm、机と椅子の座面との差尺は30cm、日本の食卓では68~70cm前後が一般的といわれます(参考:『住まい方から住空間をデザインする(新訂版)』 )。靴を履いていれば気持ちのよい椅子の高さも、靴を脱げば高くなります。洋食と和食の食べ方の差から食卓の高さが説明されているものもありますが、このことも見落としてはなりません。
 IKEAで取り扱いのダイニングテーブルは靴を履いての生活を前提に設計されたものと思います。このため、そのまま、靴を脱いで生活する日本の住まいに持ち込んでしまうと「テーブル面が高い」になります。
 デザイナーによる家具、例えば机、椅子は「脚の長さもデザインの一部」として、そのままの状態で使うことが期待されます。しかし、体格にあわない机、椅子を使うのは気持ちのよいものではありません。BJURSTAの脚はパーティクルボードに オーク材突き板の仕上げでDIYでカット可能であり、購入価格も心が痛まずカットできるレベルです。「現在の食卓をダイニングテーブルと入れ替えて兼用するためにテーブル面の高さが70cmとなるように改造かな・・」です。


☆ ☆ ☆

椅子のこと

■ 日本の家具店
 以前、日本の家具店でソファを選ぼうと物色していた時、店員さんに「座面が低いから部屋が広く感じるんですよ」とソファの解説を受けたことがあります。私にとって気持ちのよいソファは、座った時、大腿部、腰部、そして背中をきちっと支えてくれるもので、「ソファは気持ちよく座るためのものであって、部屋を広く見せるためのものではないんだけどなあ」と心の中でつぶやきながら、店員さんの言葉を聞き流したことを思い出します。しかし、その類のソファが日本の家具店で多く流通しているのを見るにつけ、「椅子文化後進国」であることを宣伝しているようで少々、がっかりさせられます。
 上記のように日本では部屋を広く見せるために座面の低いソファや高さの低い食卓が多く販売されています。食卓用のいすは「食卓との差尺を確保するため、座面を低くしたのでは・・」と本末転倒を感じさせるものがあります。
 「座ることにもう少し関心をもたれてもよいのでは・・」と考えてしまいます。

■ 座面の高さ
 小原二郎編の『インテリアデザイン』(1973、鹿島出版)に紹介される「身長を基準にした設備・ものの寸法のSlinging scale」というものが紹介されています。この中で軽休憩用のいすの高さとして170cmの身長で31cm位を示した図があります(この本はかなり昔に整理してしまい、野呂影男編:『図説エルゴノミクス』(1990、日本規格協会)で収録の図の引用文献として書かれているのを見ての孫引き)。
 J.D. Chiara, J. Panero & M. Zelnikの"Time-saver Standards for Interior Design and Space Planning"(1991, McGraw-Hill)でSofaの座面の高さとしてLarge Sizeでは1'15 to 1'6"、Medium Sizeでは1'4" to 1'15"と記載があります。1"は25.4mmですから、Medium Sizeで406.4~431.8mm。日本では靴を脱いで使用すること、それから体格の差を割り引いても、31cm位というのとは開きがあり過ぎます。
 もし、仮にインテリアデザインにたずさわる人たちが上記の寸法を、自分の座っての感性を判断の基準にしないで、「書いてあるから」と無批判に受け入れ、専門でない人達にこれを流布しているとしたら、随分、罪作りです。

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林知子他、『住まい方から住空間をデザインする(新訂版)』, 2010, 彰国社
http://www.shokokusha.co.jp/pdf/978-4-395-00884-1.pdf


インテリアデザイン〈1〉 (1973年)

インテリアデザイン〈1〉 (1973年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 鹿島研究所出版会
  • 発売日: 1973
  • メディア: -



インテリアデザイン〈2〉 (1973年)

インテリアデザイン〈2〉 (1973年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 鹿島研究所出版会
  • 発売日: 1973
  • メディア: -



住まい方から住空間をデザインする―図説住まいの計画

住まい方から住空間をデザインする―図説住まいの計画

  • 作者: 林 知子
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 2010/12
  • メディア: 単行本



Time-Saver Standards for Interior Design and Space Planning

Time-Saver Standards for Interior Design and Space Planning

  • 作者: Julius Panero
  • 出版社/メーカー: Mcgraw-Hill (Tx)
  • 発売日: 1991
  • メディア: ハードカバー



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うえいぱうわ

そういえば、椅子の高さについて気にしたことって
あんまり無いかもしれません。
何だかんだ言っても、椅子の上で過ごしている時間が
けっこう多いことに気がついた今日この頃であります。
となると、私ももっと座るってことに注意を払った方が
良いのかもしれませんね(笑)

by うえいぱうわ (2012-09-03 20:04) 

robotic-person

>うえいぱうわさん、
「気持ちのよい椅子って何だろう?」って本blogを読まれた方に考える機会になっていただければと思い、つい、真面目なことを書いてしました (^_^;

by robotic-person (2012-09-03 21:09) 

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