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NHKの「タイガーマスク」の過剰報道、相変わらずの自殺報道 [科学技術とジャーナリズム]

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■ 「タイガーマスク」の過剰報道
 ここのところ、毎日、NHKで「タイガーマスク」報道がされています。ニュースのトップとされた時は「何を考えているんだろう? 最初に報道すべき、重要なニュースがあるのでは」と思いましたが、昨日のニュースではタイガーマスクを名乗る人物(24歳、アルバイト)が顔を出してインタビューを受けている姿が報じられていました。テレビカメラがそこにあるということはその人物からNHKに連絡があり、撮影した以外の何ものでもありません。売名行為で姿を見せない多くの「タイガーマスク」の名誉を毀損するものであり、ボツの映像とすべきことは、報道のあり方を理解している担当者がいればわかるはずです、が・・・。
 NHKの番組は報道局と制作局(下記にNHKの組織図のリンク)により多くが制作されていますが、「中立性」という報道のあるべき姿が失われ、報道のエンターテイメント化(制作局化?)がはなはだしくなっています。「タイガーマスク」は「美談だからよいだろう」という安易な意識に基づいた『過剰報道』としかいいようがありません。

■ 自殺報道のあり方
 「NPO法人自殺対策支援センターライフリンク」から2006年、当時の「いじめ自殺」報道のあり方に関する警鐘として、「自殺を予防する自殺事例報道のあり方について」のWHO勧告(2000年)を紹介しました。その中で「避けるべきこと」として次の項目があります。

 ・ 写真や遺書を公表しない。
 ・ 使用された自殺手段の詳細を報道しない。
 ・ 自殺の理由を単純化して報道しない。
 ・ 自殺の美化やセンセーショナルな報道を避ける。
 ・ 宗教的、文化的固定観念を用いて報道しない。

 残念ながら相変わらず自殺者の写真が安易にテレビに映る現状で、WHO勧告に沿った報道となっていません。

 「何を報道するべきか、何を報道しないか」という報道に携わるものが備えておくべき、規範が身に付けられていない状況、「更にひどくなっていくのだろうなあ」と憂鬱になります。

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NHK組織図(2010年3 月31日現在)
http://www.nhk.or.jp/bunken/book/book_data/nenkan2010/10_806_807.pdf

自殺対策支援センター ライフリンク 「いじめ自殺」報道のあり方
「自殺を予防する自殺事例報道のあり方について」のWHO勧告(2000年)
http://www.lifelink.or.jp/hp/jisatsuhoudou.html

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